「大目玉編3」
「しかるに、
何故、
カミサンを信じるものがいるのか?
それは、
カミサンが目には見えぬからである。
見えぬから、
カミサンを信じるのである。
しかし、
私は、
カミサンの正体を知っている。
何故なら、
私には目がないからである。
目がないが故に、
カミサンの正体を知ることができたのである。
目があるが故に、
カミサンの正体を知ることができず、
みだりにカミサンを信じるものは不幸である」
「ケンタが読めば読むほど、
訳がわからなくなるぞ」
「じゃあ、みはる読んでくれよ」
「ごめん、そういう意味じゃない」
「いいから、続き読んでくれよ」
「わかった」
みはるはケンタから大目玉編が載っているコピー
を受け取った。
「じゃあ、続きを読むぞ。
いいな。
さらに、
不幸なのは邪心を持って、
カミサンを信じることである。
実は、
カミサンの狙いはそこにある。
邪心が強いものこそ、
カミサンへの信仰が強くなる。
邪心は強い欲望から生まれるから、
強い欲望がカミサンに対する強い信仰心に変わってしまう。
カミサンを邪心なく信用しろ
というのはある意味まやかしなのである。
しかし、
愚かなるかな、
目があるが故に、
周りに気をとられ、
自らの邪心に気づくことなく、
カミサンを信じてしまう。
だから、
カミサンは目を与えた。
まやかしをごまかすためである。
ふー、まだあるぞ」
「続けなよ。みはるちゃん」
ケンタは、
大きなあくびをしながらそう言った。




