「教室ともとめ」
「みんなどうだ、簡単だぞ」
ふうたが偉そうに言うと、
「おい、また、調子に乗ったら、
今度は俺が、いや、やめておこう。
賢明が補欠だったんだ」
ケンタがそう言いかけて、黙る込む。
たまおはもうわかっているようだが、
下手な発言で懲りたのか、
にやにや笑ってるだけだった。
「わかったぞ」
まず、
永久がクセなのか手を挙げてから、
ふうたの耳元で囁く。
「えー、オタク、意外に賢いなあ」
ふうたが永久をバカにしたように言うと、
「ふうたくん、
あまり永久をバカにしないでよ」
ひさめがふうたを睨みつけたので、
ふうたは笑って、
「冗談だよ、冗談、ひさめちゃん、
ムキになるのは怪しいなあ」
と、
またまた余計なことを言ってしまう。
しかし、
「ひさめちゃん、こいつ調子に乗ってるから、
どんどん言ってやって」
永久が笑顔でひさめを見たので、
そこはどうにかおさまった。
「おまえら、もうそういう関係になったのか?」
みはるが永久とひさめを見ると、
ひさめの顔が赤くなる。
「やめてくれよ。僕は...」
永久はそう言いかけたが、
後でたまおが永久のケツをつねったので、
それ以上言うのはやめた。
一方、
もとめは教室を出ていった際の顔とは裏腹に、
部屋に戻ると、
早速、入浴し、鼻歌を歌っていた。
生徒たちの案で、
みはる、キミカ、賢明を補欠にできたことで、
コンクールでの優勝争いはもちろん、
校長への弁解もこれでうまく行きそうで、
また、
生徒への締め付けも自由にできるようになったので、
上機嫌だったからだ。
しかし、このあと、
ひさめがトラブルのもとになるとは、
もとめは予想もしていなかった。




