「敗者?4人」
「悪かったわねえ」
サヤは賢明に廊下で声をかける。
「それはお互い様、まさか同じ作戦、
いや、
それ以上の作戦でくるとはなあ。
反論させないで、
うまく打ちきって」
賢明は悔しそうな顔で言う。
「言葉の割に悔しそうじゃない」
「そりゃ、
勝てば僕の場合は残れたんだから!」
「どういうことよ、僕の場合はって?」
「教えてやろうか、
でも、ここじゃ、なんだから、
僕の部屋来る」
「変なことしないでよ」
「何だよ、それ?」
「冗談よ」
「まだ、泣いてんの」
みはるの部屋で、
キミカがみはるを慰めていた。
「僕が、調子に乗りすぎた、
でも、たまおの野郎」
「それがいけなかったのよ。
もとめ先生が本当に必要だと思ったのは、
結局、あの二人だったのよ。
でも、
あんたが、あれじゃあ。
コンクールの準備が進まないじゃないの。
あんたはケンタくんと一緒、
あの二人の引き立て役、
それがわかってないのね」
「うーん、てっきり、逆だと...」
「そこが甘いのよ。
だから、賢くて大人のネネに持ってかれちゃったのよ」
「うーん」
「あたしはね。ネネならしょうがないと思ってる。
でも、ひさめに負けたのは悔しいけどね」
「うん、僕もそうだなあ」
みはるは意外にさっぱりしているキミカを見て泣きやんだ。
「問題は、ひさめよ。
ひさめは最初から
ネネをライバルだと思ってたから」
「どういうことだ?」
「だから、あんたも知ってるでしょう。
永久くんのこと」
「ああ、永久か、どうでもいいよ。
僕は」
「もとめ先生、まだ気づいてないんじゃない。
その問題」
「うん、どういうことだ」
「もーう、
チームワークよ。
あんたもサヤも、
それではずされたのよ」
「えー?」
「うまくすると、
あたしにもチャンスあるかもなあ」
「チームワークはわかったけど、
ひさめがそれと、
どう関係するんだ?」
「教えて欲しい?」
「もちろんだ」
「じゃあ、
ちゃんとお願いしなさいよ」
「頼む」
「駄目」
「お願いします。キミカちゃん」
「あー、その言い方キモい!ダメ」
「なんだと!」
「じゃあ、教えない」
「ごめんなさい、
キミカ様、教えてください」
「わかったわ」
キミカはそう言うと、
泣いてまぶたが少し腫れていたみはるの顔を見ながら、笑った。




