「賢明、サヤ最後の対決?」
「サヤちゃん、がんばって」
永久が声をかける。
たまおが何か言おうとしたが、
思わず口を押さえる。
二人が壇上に上がると、
サヤは、
「では、私の質問の番ですので、
早速、
もとめ先生がお話されましたように、
偽物あるところに本物あり
という単純な理由で像が登場するカミサン伝説こそが
「真カミサン伝説」である
と主張されるトンデモ大学のハゲタ木太郎教授の論文でも、
像が出てくる伝説のどれが真カミサン伝説かは
論証されておりませんが、
賢明くんは、
何故、
「見えない像編」
を真カミサン伝説に選んだんですか」
サヤの質問に、
今度はふうたが何かたまおに囁こうとしたが、
やめた。
「見えない像だけが、
今まで一度も偽物が販売されたことがないからです」
賢明はまるで予想していたかのように、
余裕の表情で答える。
「なるほど、
見えないモノはさすがに売れませんからね」
サヤも余裕がある。
「では、質問です。
見えない像は今どこにあるのですか」
と
サヤは真面目な顔で質問する。
賢明は、
「そんなことわかるはずないじゃないですか。
見えないんですから」
と
答える。
「じゃあ、
本物か偽物かはわかりませんよねえ。
ああ、
これは独り言です。
もう結構です」
サヤがそう言って、
あっけなく、そこで質問を打ちきってしまった。
賢明は、
そのときしまったと思った顔を一瞬したが、
黙ったままだった。
すると、
もとめが立ち上がり、
「お疲れさま。
さあ、どちらを指示するか、
指示しないか、休憩いれますか」
と
みんなにわざとらしく訊くが、
「引き分けですね」
と
ネネがいち早く答えて、
もとめ、賢明、サヤ、
そして、
みはる以外はみんな頷く。
「そうね。
じゃあ、残りの一人は永久くんに決定でいいわね」
もとめがそう言うと、
全員頷く。
「じゃあ、選抜された6人だけ残って、
他の方は残念でしたが、
ここで、解散ということで、
でも、明日、他の4人には
考えてもらいたいことがありますので、
午後1時にここに集合してね。
では、お疲れさま」
もとめがそう言うと、
サヤは満足そうな顔をして、
キミカは仕方ないというような顔をして、
賢明は悔しそうな顔をして、
そして、
みはるは泣きながら、教室を出ていった。
4人が出ていったのを確認すると、
「えー、
残ったみなさん、おめでとう!
でも、はっきり言って、
勝負はこれからよ。
私は、この6人なら、
コンクールで必ず優勝できると思っています」
もとめは凄く嬉しそうな表情でそう話しだした。




