「たまおとふうたの意地悪」
「ここじゃなんだすから、
ふうたの部屋に集まるだすよ」
たまおがそう言うと、
ふうたを先頭に残りの生徒たちが
ぞろぞろとふうたの部屋に移動する。
ふうたは残り全員が部屋に入ったことを確認すると、
部屋の鍵を閉める。
「ふー、
やっちゃたよ。
でも、これで、
もとめ先生が
サヤちゃんをはずしたかったことはわかったな」
と
ふうたが言うと、
「おい、何言ってんだか、
余計わかんないぞ、みんなわかったか」
と
みはるがそう言うと、
たまお以外は首を横にふる。
すると、
「このまま終わったら、どっちの話しがすっきりするだすか」
と
たまおが笑って言う。
少したってから、
「おお、そうか」
と
ケンタがまず理解した。
「あれ、そういうこと?」
ネネも理解したようだった。
「ええー、そんな簡単なことなのか」
永久も気づいたが、自信はなかった。
「意地悪するなよ」
と
みはるがそう言って、
たまおとふうたの方を見る。
「コンクールに出るなら、
たまおのヒントで気づいてもらわないとなあ」
と
ふうたが、にやけながら言うと、
ひさめが自信なさそうに、
たまおの近くによって、耳元で囁く。
「そうだすよ。
ひさめちゃん合格だすよ」
まだ、わかっていないのは、
キミカとみはるだけだった。
「もう一回だけ言うだすよ。
このまま終わったら、
どっちの話しがすっきりするだすか」
たまおがやはりにやけて言う。
「えー、そんなことでいいのかよ」
と
みはるもやっと気づいたが、
半信半疑のようだ。
「えー、私だけ?あー」
と
キミカが頭を抱える。
「キミカちゃんは
意外に真面目に考えるタイプなんだな」
と
ふうたが言うと、
キミカは余計訳がわからなくなる。
「おい、意地悪すんなよ。
僕だって、自信はないんだぞ」
と
みはるがまた迷ってきたようだ。
「俺は一応真面目に考えたんだけど、
違うのかな?」
と
ケンタがふうたの言葉で自信をなくすと、
「私も、そうなんだけど」
と
ネネまで自信なさそうに首を傾げだす。
そんな、
みんなの様子を楽しむかのように、
たまおとふうただけが、
にやけていられたのは、
そのときだけだった。




