「賢明とサヤの対決1」
部屋に全員揃うなり、
もとめが賢明とサヤの顔を見ながら、
「さあ、
今度はどちらから質問を始める」
と訊くと、
「さっき、私からだったので、
賢明くんからどうぞ」
と
サヤが先に答えた。
「じゃあ、遠慮なく」
賢明はそうサヤが予想していたように、
笑いながらそう言った。
「じゃあ、決定ね」
もとめがそう言うと、一番後の席に着席した。
「では、僕から訊くよ」
賢明は余裕のある表情で、
「サヤちゃん、何で、君が選んだ話しで、
例の妹が自殺しなければいけないんだい」
と
訊くと、
「だって、
カミサン人形をちぎってトイレに捨てたのが、
彼女だから」
サヤはまるで想定していたかのように、
あっさりとそう答える。
「でも、彼女は何も悪いことはしていないよ」
賢明がそう訊くと、
「悪い?
何のこと、カミサン人形をちぎって捨てたから
死んだだけよ。
カミサン伝説では、
人間が感じるような悪も正義もないのよ?
だって、善悪を決めるのはカミサンでしょう」
と
また、
サヤはあっさりとそう答える。
「ふーん。
でも、
彼女は姉に包丁で脅かされたから、
やむなく
カミサン人形をちぎってトイレに流したんだよ。
そう、
彼女には、
カミサンをバカにする意思なんてなかったんだよ。
いいかい。
真カミサン伝説の一つの条件は
カミサンをバカにしたものについてもバチがあたる。
この点、
君は反対なのかな」
賢明は笑いながらそう言う。
「えっ、何、
私が、真カミサン伝説の一つの条件が
カミサンをバカにしたものについてもバチがあたるということに、
反対だと言いたいの?」
と
サヤはわざとらしく驚いたような表情をした。




