「賢明のカミサン伝説4」
賢明は話しを続ける。
「その少女は公園に老人をつれていき、
ぼんやりとブランコに座っているタロウに、
声をかけると像のことを話しました。
タロウは少女の話を聞くと喜んで、
老人に向かって、
「お願いです。
見えるまで祈る像をください。
鍵が見つかったら、すぐ、困っている人にあげますから」
と言ったので、
老人もほっとして、
布と老人と少女には見える像を渡したのでした。
「とにかく、
像が見えるまで、
カミサン、カミサン
と言葉に出して祈って、
心の中で願い事をすればいいんですよね」
と
タロウが言うと、
老人が
「よく知ってるのう」
と言ったので、
タロウはその場で正座すると、
布に向かって祈りだしたのです。
30分くらいすると、
布の横に鍵が突然現れたと思ったら、
タロウが、
「像が見えた。
あっ、鍵だ。
どうもありがとうございます」
と
タロウはそう言って像を磨きだした。
「よかったのう。
後は困った人に早くその像を上げるのじゃ、
なるべく早くのう」
と
老人が言うと、
タロウは、
「ありがとうございます。
もちろん困った人にすぐこの布と像をあげます」
と答え、
少女も、
「タロウくん、よかったね」
と
喜んだのでした。
しかし、
みなさんもご存じのとおり、
その様子をのぞき見していた人間がいたのでした。
ふー、もうすぐですから」
賢明はそう言って笑った。
そして、
サヤが
「セキとまりました」
と言って、
まるで、
賢明の話しが終わりそうになるのを見計らったように
教室に戻ってきたのだった。




