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「はめられた賢明とサヤ」


 「ごめん。俺が言い負けて」

 「私もうっかり寝てしまって、

 時間を見たら、

 もう午後5時過ぎだから、

 終わったかと心配したわ」

 「もうすぐ終わるとこだったんだけど、

 たぶん、

 サヤちゃんが来てくれなければ、

 そのまま議論で負けてたな」

 賢明が言うと、

 「でも、時間もないわね。

 もとめ先生にうまくはめられちゃったね」

 サヤは苦笑いする。

 「話しはもう造り酒屋のとこまできちゃったけど、

 結構、

 はしょるつもりだったんだけど、

 自分で議論になると、

 イヤなので、

 かなり長くなってしまって」

 「ううん、どっちでも同じよ」

 「で、やっぱり、

 ふうたとたまおは、

 バチがあたることが真カミサン伝説の条件だ

というところをよく知ってるよ。

 だって、

 みはるが、

 「邪心を持って行うと、

バチが当たるという話しが多いので、

 カミサン伝説をマネする人はいない」

って、

 はっきり言ったからな」

 「あのみはるが自分で考える訳ないもんね」

 「でも、サヤちゃんの考えだと、

 それしかないもんなあ。

 俺の無理やり持っていく」

 「うーん。

 それは無理よ。

 みはるが言ったとおりだもん」

 「そうだよなあ」

 賢明とサヤは、

 もうあきらめ気味だったが、

 「そうだ!

 こうなったら賢明くん方式!

 あの後日談を思いきってカットするわ」

 「えっ」

 サヤの意外な言葉に賢明は驚いた。



 「へへへ。

 多分勝っただすなあ。

 サヤちゃん疲れて寝てしまったみたいだすな。

 だから、

 戻るのが遅過ぎただすな」

 「まだ、

 油断はできないぞ。

 サヤちゃんは戻って来たんだから」

 にこにこしているたまおにふうたが言う。

 「でも、

 完全にもとめ先生はこっちの味方だぞ」

 みはるが笑う。

 「だから、

 それが、

 もとめ先生の今回の使命みたいなもんだもんだからな」

 ふうたも笑った。

 「議論、勝てるのか?」

 みはるが訊くと、

 「勝てるだすよ」

 自信満々のたまおに対し、

 「油断禁物だよ」

 ふうたは慎重だったが、

 「サヤちゃんが自信あれば、

 仮病は使わないだすよ」

 たまおはにやりと笑った。


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