「サヤの信じる真カミサン伝説13及び14「人首酒」編」
サヤのグループが先に教室に来ていると、もとめ、ひさめと来て、次にケンタたちが来る。
「あら、たまおくんは?」
「何か頭が痛いって、
治ったらくるってさ」
もとめの問いにふうたが答える。
「じゃあ、サヤさん始めて、
まだ、まだ、カミサン出てこないから」
と
もとめが笑って言う。
サヤは
「じゃあ、たまおくんはいいですね。 続けます」
と言って、
賢明の方を見る。
「カイミヤマの屋敷をジュウロウが訪問した後の話しです。
ジュウロウはカイミヤマの話しを
いつものバーでコワコワクエーとマスターに話しました。
「カイミヤマさんって言えば、
前衛的なグロテスクな彫刻で今売れている彫刻家ですよ。
海外でも高い評価を受けてるらしいですよ」
と
マスターが言いました。
「マスター詳しいねえ」
「職業柄ですよ。
ですが、ジュウロウ先生もたいしたもんですねえ。
世界のカイミヤマが参考にするような小説を書くんですから」
「いいえ、そうでも。
でも、
カイミヤマさんは凄いよ。
コワコワクエー先生のことを訊いたら、
コメデイ作品の大家だって、
明言しましたから」
「いやあ、それは嬉しいなあ。
できる人間にはわかるんだなあ」
「マスターおみやげに
例のぞっとするする酒を持っていかれたら、
きっとわかるよ」
などと
3人は優越した気分で、
いつものように飲み明かしたのでした。
「そうそう、
カミサン伝説って知ってます」
「ああ、最近はやりのねえ。
何か学者まで研究しだしたらしいねえ」
「あれこそ、
コメディ色強いよねえ」
「それが、ジュウロウさんやコワコワクエー先生の話を
微妙にパクっているという噂もネットで出てるんですよ」
「パクるんなら、ご自由に」
とジュウロウが言うと、
コワコワクエーも
「光栄なことだね」
と
余裕でした。」
サヤが一息つくと、
「今度こそカミサン出てくるんだろうなあ」
と
みはるがからかったように言うと、
サヤは笑って
「続けます」
とだけ言った。
「えー、ジュウロウたちは翌月カイミヤマの誘いを受け、
例の屋敷を訪問しました。
マスターは例のぞっとする酒をおみやげに持っていきました。
「ようこそ、
ジュウロウ先生。
コワコワクエー先生、
そして、
すごい酒を飲ませてくれるというマスター」
「はい、ヒトクです」
「ヒトク様」
「これが例のお酒です」
と言って、
マスターは不思議な形のボトルに入れた酒を
カイミヤマに渡しました。
「これですか?
お電話でジュウロウ先生からうかがいました。
さっそく、一口だけよろしいですか。皆様は?」
「私らは結構です。
いつもマスターに馳走になってますから」
と
ジュウロウはが言うと、
カイミヤマは待ちきれないと言った感じでボトルと
一緒に入っていた小さなグラスに注いで、
すぐ一気に飲み干しました。
「こ、これは」
と言うと、
カイミヤマの身体が震え始めました。
「な、なんというか、そうですね。
とても恐ろしい感じがします。素晴らしい」
と
カイミヤマはそう言って、マスターに深く頭を下げて、
「大事に飲ませていただきます」
と言ったのでした。
マスターだけでなく、
ジュウロウとコワコワクエーまで、
そういうカイミヤマの感動ぶりに嬉しくなりました。
「是非、カイミヤマさん、いや、先生も我々の仲間に」
と
ジュウロウが言うと、
「私もお仲間に入れてくれるんですか」
と
世界のカイミヤマは嬉しそうに、また、頭を下げました。
「さあ、これでわかる人間が4人になったぞ」と
コワコワクエーがカイミヤマと握手しましたが、
カイミヤマの手はまだ震えていたのでした。




