「サヤの信じる真カミサン伝説11及び12「人首酒」編」
「えー、
ジュウロウは、
やや暗めの照明の地下室の階段を
カイミヤマにすすめられて、
先に降りた瞬間、腰を抜かしたのです。
「アンオドロイターがー!」
ジュウロウは自分が書いた小説に登場したキャラである
アンオドロイターそっくりの死体?
に遭遇していきなり腰を抜かしたのでした。
「先生、自分で作ったキャラに腰を抜かして
どうするんですか?
平気で残酷なこと書く割に意外に気が小さいんですね。
それとも、
気が小さいから小説の中で残酷なことを書くんですかね」
と
カイミヤマは言いました。
図星でした。
ジュウロウは小心ものでしたので、
小説の中だけでは自分ができない残酷な殺人等を
描いていたのでした。
「あなたは鋭いですね。
ところで、これは?」
「蝋人形ですよ。
でも、よくできているでしょう。
この写真でも載せれば、
わからん連中も先生の作品の怖さを
少しは理解できるでしょうに、
先生の本の挿絵とは大違いでしょう」
と
カイミヤマは笑ったのでした。
「でも、
私は今はコメディ作家として売り出しているんで、
あれはあれでいいんです。
わからん奴から商売するそれが私の方針です」
と
ジュウロウは笑いました。
「コワコワクエー先生みたいですね」
と
カイミヤマはあの日の話しを
まるで聞いていたような言い方をしたのでした。
「コワコワクエー先生の作品はどう思われます」
とのジュウロウの問いに、
「あの方こそ、コメデイ作品の大家です。
世間の連中はわかってないですよ」
とのカイミヤマの言葉に、
世の中、
同じ感覚の人間は結構いるものだ
と
ジュウロウは思ったのでした。
「さあ、怖いのはこれからですよ」
と
カイミヤマはにやりと笑ったのでした」
サヤはここで一息ついた。
「なんだよ!
アンオドロイターって、
ちっとも怖くない名前じゃないか」
と
ふうたが言ったが、
サヤがジロッと見たので黙り込んだ。
もとめが
「この話し結構長いので、
カイミヤマの屋敷の話しが終わったら、
休憩しましょうか?
サヤさんも疲れたでしょう」
と言う。
「カイミヤマの今の部分ですね。
わかりました。
では、話しを続けます」
サヤは話しを続ける。
「カイミヤマは自分が作った蝋人形のコレクションを
ジュウロウに披露しました。
「これは、トイレ女ですか?」
「わかりますか?」
「一瞬ナイスボディの美人ですが、
目が異様に怖い」
「さすが、先生。
自分のキャラだけによくおわかりに」
「こ、これはキルキルマン。
よくできてますよ」
「ありがとうございます。
手を6本にするところが結構苦労しました」
「あっ!
フォフォフォ仮面。
いやー思った以上に怖い」
「仮面で苦労しましたよ」
「これは5首女、こうだったのかあ」
「先生のイメージと違いましたか?
普通は首を5つにするところですが、
先生はそこまで表現していないので、
長い首一本に横に顔を4つ付けてみました」
「なるほど、顔だけじゃなく、
首の付け方でこうも不気味になるんですねえ。
勉強になります。えーと」
「カイミヤマです」
「カイミヤマさんはこの道のプロですか」
「本業は彫刻家です」
「道理で素晴らしいはずだ」
「いえいえ、蝋人形は趣味ですけど、
先生の小説のおかげで面白いのができました。
本業の彫刻の方もそのおかげで
佳作がたくさんできましたよ。
ありがとうございます」
「それは、光栄です。
あっ、あほあほあほ男。
これは苦労したでしょう。
首が手の位置で首の位置に片足で、
足の位置に手で、
腹にも顔がもう一つありますから、
うーん、
結構、名前でバカにされたんですが、
これは1,2を争う怖さですねえ」
「これは大変苦労しましたよ。
特に、腹にもある顔の表情に。
ところで、
先生は名付けがユニークなんですねえ。
でも、
それは、恐怖を緩和するためだったんでしょう」
「そうだったんですが、
今の読者は単語で想像する。
だから、コメデイにとられるです」
「単語ねえ」
二人はカイミヤマの作品をこうして談笑しながら、
2時間くらいかけて鑑賞したのでした。
「実は今他にも蝋人形や本業の彫刻で制作中のが
いくつかあるんですが、
来月には完成するんで、
また、
おいでいただいて、感想いただけますか」
カイミヤマがそう言うと、
「喜んで。
これだけの素晴らしい作品なんで、
コワコワクエー先生と行きつけのバーのマスターもお連れしたいんですが、
よろしいでしょうか」
「コワコワクエー先生ですか。
是非、もちろん、
マスターという方も」
こうして
二人は楽しくカイミヤマの不気味な蝋人形を鑑賞しながら、
談笑して楽しく過ごしたのでした。
じゃあ、ここで休憩しましょう」
サヤが言うと、
みんなアクビをして、
さっさと教室を出ていった。
(続く)




