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イントロ

 「えー厳選なる審査の結果「カミサン研究会」に当選したメンバーをこれから発表します」

オンシラーズ高校の校長暇田はいまブームの「カミサン伝説」の研究会を発足し、二年生の中から男女各五人計10名を選抜することにした。

 既に都内の高校だけでも「カミサン伝説研究会」が30はあると言われ、先月某TV局で特集されたばかりで、二ヶ月後には都内ではコンクールも行われる。

 将来的には全国大会も行われる予定だ。

 中堅高校のオンシラーズ高校の宣伝効果を狙うと共に、新入生の確保のためにもどうにかコンクールで入賞して知名度を高めるために、同高もかなり他校に遅れることになったが同研究会を発足することになった次第である。

 「1,観月ふうたくん

  2,鈴木ケンタくん

  3,猿面賢明くん

  4,美風永久くん

  5,大空たまおくん

  6,南皮みはるさん

  7,神風ひさめさん

  8,打田サヤさん

  9,岸川ネネさん

 10,鶴丸キミカさん

以上の10名です。」

 「えー、八百長だぞ。」

 「そうだ。去年と今年のミスオンシラ、同じく去年と今年の準ミス、学年1の秀才男女1名、オンシラ一のイケメンに、それにキモ男三人衆をつけただけだろう」

 「取材が来たときのためだろう」

 選考結果については、生徒からブーイングがとんだが、

 強面でキモ男三人衆の頭であるケンタの

 「誰がキモ男だって、「それにキモ男三人衆をつけただって」、今言った奴出てこい」

 の一言で生徒は黙り込んだ。


 「えー、では、選ばれた諸君がんばってくれたまえ。

 研究所は我が校のOBが寄贈してくれた旧小島邸を自由に使いなさい。

 あと、顧問教師は我が校の誇る黒井もとめ先生に引き受けてもらうことになりましたので、黒井先生から一言お願いします」

 「光栄にも「カミサン伝説研究会」の顧問に選ばれました黒井もとめです。六月に行われる「第1回東京都カミサン伝説コンクール」で是非優勝したいと思いますので、みなさん一緒にがんばりましょう。早速ですが来週からゴールデンウイークですので七泊八日の合宿を開催したいと思いますので、よろしく」と東大卒で美人だが何故かオンシラの教師となった、変人とも噂される有名な黒井が自信満々に挨拶をする。


 夕刻の集合場所の教室には、生徒が全員揃っていた。

 集合時間ぴったりに黒縁眼鏡をかけたもとめが黒いロングドレスを着て現れた。

 「起立」と誰かが声をかけると

 「授業じゃないんだからいいわよ」ともとめは優しく言う。入ってきたときのルックスとやさしく柔らかな声の感じにギャップがある。

 「はじめまして。黒井もとめよ。カミサンって怖い感じがあるけど、楽しく研究して、是非、六月のコンクールでは優勝しましょう。で、早速だから、簡単に自己紹介しましょう。じゃあ、私が名前を呼ぶので、そのときだけ立って自己紹介ね。本当、簡単でいいわよ。来週もう合宿だから、すぐに仲良くなれるから、では、観月ふうたくん」

 上の前歯が抜けて、マッシュルームのような髪に小さな目、上を向いた鼻の穴は大きく、ややメタボで、いかにもキモ男という感じのふうたが挨拶する。

 「三組で、みなさんも知っているとおり、13代目キモ男三人衆のひとり、ふうたです。パソコンのことなら任せてください。よろしく」

 「的確な自己紹介でしたね。ふうたくん。よろしく。では、鈴木ケンタくんお願いね」

 2メートル近い、筋肉隆々の大男で、スキンヘッドで身体に負けず顔も目も鼻も口も大きく妖怪のような強面のケンタが挨拶する。

 「同じく3組で13代目キモ男三人衆の頭の鈴木ケンタです。喧嘩なら、先輩にも負けません。柔道も2段です。でも、勉強はまったくだめですが、用心棒代わりにはなりますので、よろしく」

 「うん。強そうで頼りになりそうね。ケンタくん、でも、喧嘩は駄目よ。」と言うと笑いが起こる。

 「では、猿面賢明くんお願い」

 猿面という名字に似合わない。目鼻立ちが整って、ホリの深い顔をした180センチくらいの背の高い、好青年タイプの賢明が挨拶する。

 「えー、1組の猿面賢明です。変な名字ですので、一度聞いたら忘れないと思います。よろしく」

 「あら、ずいぶん簡単ね。確か、賢明くんはその名のとおり、学年1の秀才でしょう。じゃあ、美風永久くん、お願い」

 オンシラーズ高校一のイケメン永久の登場である。金髪に近い天然パーマの栗毛の髪に美女子のような可愛い顔で、どうみても美少年と言った感じである。

 ただ、背がやや低く、痩せているので賢明の後に登場すると貧弱に見える。

 「2組の美風永久です。ゲーム好きです。特技はそれくらいです。よろしくお願いします」

 「噂の永久くんね。女装したら、女の子にも見えるわ。」と言うと笑いが起こる。

 「冗談よ。じゃあ、大空たまおくんお願い」

 チンパンジーのような顔に、7:3分けの髪がアンバランスで、小さく痩せていてさすが13代目という感じの大空たまおが腹を掻きながら登場する。

 「三組で同じく一三代目の大空たまおだす。変な言葉遊びをやっていたうちにこういう話し方になっただす。別に方言じゃないだすよ。これでも剣道二段で、パソコンも勉強もできるだすよ。人はみかけによらんだすよ。よろだす」

 「うん。面白い自己紹介ね。それで、ケンタくんとどっちが強いのかなあ」

 ともとめが訊くと

 「俺だ」「僕だすよ」ケンタとたまおが同時に言った。

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