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第5話 どうやら俺はバカみたいだ

『昨日のことは反省してる』

 沙也加からの連絡を眺めながら、バスに乗り、奥側の開いてる席に座る。

 昨日の俺って相当キモいことしてないか。

 急に手を握って観覧車に乗るぞって。キモすぎるだろ。

 うわあ、昨日ことを思い出し。頭が痛くなる。

 てか、昨日手を握った時どうして嬉しそうだったんだよ。

 昔似たような体験したな、遠い昔の記憶を思い出す。

 また、会いたいな。

 そう思いながらイヤホンをする。

「ねえ、ねえ」

 いやーこの曲良いよな。この相槌っていうか、この雰囲気。相槌ね、相槌。

「へ?」

 右側のイヤホンが取られる。

「どうして、彩音がここにいるんだよ」

 何故か俺の隣に座っていた。

 一応他の席も空いてるんですけどね。

「なんとなくよ」

 なんとなくで隣に座らないと思うんですけど。

「まさか、俺をここで殺すのか」

「朝から元気ね、学校では元気じゃないのに」

「それ、一番傷つくから、やめようね」

「ふん」

 ふんってなんだよ。ふんって。

 可愛いと思ってるのかよ、まあ可愛いけどさ。

「ところで、今日クラス委員の集まりあるの知ってるよね?」

「ああ、今日のお昼だったよな」

 なんと、登校三日目なのにもう、集まりがある。

「そうよ、その集まり遅刻したら、反省文十枚書くみたいよ」

「まじかよ」

「だから、ちゃんと来るように」

 俺に忠告をする彩音。

 俺って真面目な性格だと思うんですけど。どうも俺の第一印象は最悪らしい。

 「ちゃんと来ますよ。彩音こそ遅刻しないようね」

 「あら、私の名前を呼ぶとか」

 「キモいね、でしょ」

 「ふん」

 彩音はスマホを触り出す。

 そして、合格祝いで買ってもらったイヤホンは彼方に消えて行った。


 俺は代表者室に入る。こんな場所もあるのかよ、聞いたことないぞ代表者室なんて。

 指定されている席に座る。やがて、クラス委員が続々と集まっていく、彩音遅いな。

 そんなことを考え俺はスマホを触り、彩音に連絡をする。

『遅刻するぞ?』

 数分程経ったが返事は返ってきていない、何してるんだよ。

 始まる時間まで後数分を切っていた。

 何してるんだよ、スマホを眺める。

 はあ、もー。ため息と同時に俺は立ち上がる。

 そして代表者室を出る。

 俺今めっちゃ馬鹿なことしてるよな。

 寒さなんて感じないのに、俺はポケットに手を入れる。

 そして、走る。

 校内で走るのは禁止されているが、もう遅い。どうせ反省文十枚書くんだからな。

 探すこと十分、もう言い訳できない時間だな。

 どこを探しても彩音はいなかった。

 仕方ない教室に戻ろう。

 教室に戻ると、そこに居た。

 美味しそうに弁当を食べている彩音が。

 俺は急いで駆け寄る。

「おい、遅刻だぞ?」

「何を言ってるの?」

「だって今日代表者会議だぞ」

「え?」

「?」

「だって、今日って副リーダだけでしょ」

「へ?」

「え?」

 大爆笑をする、彩音。

 初めて見たぞそんなに大笑いしてるの。

 てか、それどころじゃない。

 腹を抑えて笑う彩音。

 あまりの展開に腰を抜かす俺。

 これは、青春と言えるのだろうか。

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