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とりあえず何か書く  作者: 粉雪@11月1日コミカライズ開始!


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かけられなかった言葉

どうしてもかけられなかった言葉がある。


「本が売れなかったのは、あなたのせいじゃない」


たぶん、私が言っても何のなぐさめにもならない。


でもあなたの文章を読むのが、私は好きだった。


書籍化される話はどれも面白くて、だれかが夢中になって読んだ話。


みんな真剣に書いて、書籍化作業だって必死にやって、編集部の人たちも真面目に仕事をして。


けれど市場に出ると、その本を手に取って表紙をめくらせるのがいかに大変か、レジまで持っていかせるのがいかに難しいか、「読ませる」までのハードルがいかに高いかがよく分かる。


編集者というのは原石を拾うのが楽しいんだろう。


磨いて光るダイヤみたいな原石もあれば、そのまま打ち棄てられる石もある。


その価値はだれが決める?


だれにとっても自分の作品は宝物だよ。


どこか無責任にも思えるけれど、そんな性懲りもない所がなければ、次々に本を出したりなんて出来ないのかもしれない。


ただそれだけ。


物語を創るのが作者。


本を作るのが編集者。


本を育てるのが読者。




私の本が出るのは「出版社に損をさせない」からだ。


出版しても損をしないし、他作品の売り上げにも貢献する。


ラインナップのバリエーションのひとつとして価値がある。


ただそれだけ。


ダイヤにもなれず、打ち棄てられることもなく。


今にも深い海にさらわれそうな波打ち際で、誰にも見つかることのない鈍い輝きを、あると信じて必死に磨く。

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魔術師の杖シリーズ
― 新着の感想 ―
[良い点] 本は世の中にたくさん出版されてるので、きっと売れないことも多々ありますよね、、、 その中で出版社に損をさせない本を書けるってすごいです。 [一言] 『魔術師の杖』拝読中ですが、ネリアちゃん…
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