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とりあえず何か書く  作者: 粉雪@11月1日コミカライズ開始!


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読者さんから教わったこと

本を出す時に、私なりの合格基準がありまして。それは「本を見つけた新規の読者さん、だれか1人から熱烈なメッセージをいただく」というものです。


1人でいい、どんな形でもいい、もらえたら合格。


初めて本を手にした〝魔術師の杖〟を知らなかった読者さんから、「面白かった」「次巻も楽しみ」……出会えた喜びとともにメッセージをいただくとホッとします。


今のところ毎回達成して、7巻は今まででいちばん数が多かったです。それらを大切に抱きしめて、次の本を準備します。


元々長編を書く者として、〝感想〟は「貰えないもの」と捉えていました。読者さんの大多数は〝無言〟です。


だからメッセージを下さる方が1人でもいれば十分。実際にはその百倍は〝新規の読者さん〟がいます(たぶん)。


なろうで感想が貰えるのは、なろうの読者さんが親切なだけで、本を読んで感想を書いたり、それを作者や出版社に送ったりする人は、そんなにいません。


私だって感想を書くようになったのは、デビューして作家さんの気持ちが分かってからで、読み専だった時は感想どころか、ブクマやお気に入り登録もしませんでした。


恥ずかしかったのもありますが、物語を楽しんでも作家さんと交流しようとは思いませんでした。


今は「たったひと言でもいい、貰えると嬉しいものなのだ」と分かったため、なるべく書いています。


自分がそんなでしたから、「貰えないもの」だと思いこみすぎて、実際にファンレターを貰ったら、びっくりしてしまいました。


手元に届く前に嬉しくて「よし、お返事!」とレターセットやら色紙やらカードやらいろいろ買いこみました。


ところがいざファンレターが届いてみると、封筒には差出人の住所も名前もなかったのです。


その理由もちゃんと書いてありました。


『先生、読者の感想というのは、ただ想いを伝えたいだけなので一方通行でいいんです。だから差出人の住所や名前は書きません。返事を書くのに時間を使うぐらいなら、続きを書いてほしい、読者が一番読みたいのは〝ファンレターの返事〟ではなく〝最新話〟です』


(そっか、そういうことなんだ……)


『忙しい編集部の方の手を煩わせるのでは、と心配して送らない方もいます』


生まれて初めて貰ったファンレターを送ってくださった読者さんから、そう教わりました。


だから読者さんにとって一番嬉しいのは、〝最新話〟、本なら〝最新刊〟が読めること……それは肝に銘じています。


それが分かっているからこそ、あえて感想欄を閉じ、返信することなく執筆に専念される作家さんもおられるのだと思います。


私は貰うだけでも嬉しいのと、いろいろ気づきもあるので、感想欄は開けています。


読者さんの生の声が拾えるのが、なろう作家の強みでもありますから。


本を出しても出版社まで届く声はそれほど多くない、だからこそ効きますが、何のアクションもなくとも、物語を楽しんでいる読者さんの存在は感じとれます。


そして作家は感謝の気持ちを、作品を書くことで返していくのです。


ただね、私なりの「もしもファンレターがきたら、こういう返事を出したい」という想いもありました。


錬金釜に天秤をあしらった錬金術師団の紋章を入れたリーフレットに、特別なSSを書いて……。


今ごろこんな事を書くのは、ちゃんと返事が出せなかったのが、やはり心残りなのでしょう。


それはまた来年に持ち越しです。



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