料理がしたかった
ご飯は自炊派です。
自炊だと自分の体調の良し悪しがはっきり分かります。
疲れれば味覚がおかしくなって味つけが変わるし、皿を割ったり不注意が起きやすい。
そもそも食欲がなければ作る気力も湧きません。
転職をしたのは小説を書くためもありますが、それ以外の理由としては料理がちゃんとできないことがイヤでした。
帰宅が遅くてスーパーは閉店しているし、自分もクタクタで作る気にならない。
ネットスーパーを利用して、誰かがピッキングしてくれたイチゴ、それは本当においしかったけど、注文を入力するのが煩わしくて。
買いだしは短くても三十分~一時間はかかるし、電車に乗ればあっという間に半日たってしまいます。以前はその時間すら惜しかったのですが、今は気楽にでかけられます。
締め切り前は鍋いっぱいに野菜スープを作り、数日食いつないだりしますが、それでも人生最大に忙しかったころに比べれば忙しくありません。
書いてお茶を淹れ、ひと息いれてまた書く……雲の動き、空の色の移り変わりを見ながら物語を紡いでいく。
(こんな生活があるなんてなぁ)
とはいえ時間に余裕はできたのですが……小説のことを考えていると頭の中がそれでいっぱいになり、出かけた先のスーパーに自転車を忘れてしまいます。
数日そのままで撤去された自転車を、隣町の集積場まで取りにいき、罰金払ってすごすごと乗って帰る。これ、何回もやりました。
小説を書いているときの私はポンコツです。