書籍化作業でしていること①
書籍化が決まると、たいていの作家さんは更新が止まります。
今回は何ヵ月もいったい何をやっているのかという話。
・初稿を提出する前の推敲作業。
あらかじめ準備していれば2週間ぐらいで終わります。文章を頭から書き直す勢いでやると数ヵ月かかることもあります。
書籍はだいたいのページ数が決まっています。『魔術師の杖』1巻はWEB原稿をそのまま持っていかれました。分量もちょうどよかったみたいです。
まずはページ数に合わせ加筆したり削ったり、文章量を調整します。書籍特典SSも忘れてはいけません。目次や人物紹介もありますし、『魔術師の杖』は挿絵が少ないぶん、文章がギュギュっと入ります。
最初はみなさん、加筆すると思います。足せばいいだけだから。
ちなみに2巻は加筆、3巻は十万字の大幅加筆、4巻はちょこっと削ったり構成も変えたりして加筆してます。
3巻まではしんどかったこの作業、4巻でようやく面白さが分かりはじめました。
本を読む楽しさとは『話の面白さ』のほかに、『文章を目で追う楽しさ』もあると気づきました。
目で追うことで感じる語感の響きやリズム感は心地良く、本1冊を一気に読ませなければなりません。読んでいる途中で放り出したくなったらおしまいです。
5巻以降はまず文章を削ってスッキリさせ、それから加筆するようにしています。
キャラクターたちの関係の掘り下げや、クライマックスの盛り上げ、新たなエピソードの追加など……読者さんの「もう少し読みたい」を形にしていきます。
ここまでやってようやく初稿提出。1回目の校正を終えて返ってくるまではひと息つけます。
キャラクター設定や表紙、挿絵の提案などはこの間に済ませます。
初めて本を出す方はプロット提出やイラストレータ―さん選びがあり、キャラクターや世界観の設定等を提出するよう、出版社から求められます。
忘れるところでした。初稿を出す時に書籍タイトルもいくつか案を出して決めます。
私が実際にやっている作業を書いているだけなので、作家さんそれぞれでやり方があると思います。出版社によっても作業の進め方は違うでしょう。