テンプラニーリョとステーキな夜
三連休なのです。連休とはいえ私は原稿にかかりきり。出かける予定はありません。
「せっかくの連休だし、ワイン買ってきて肉食べながら宅飲みしない?」
そう家人から提案がありました。
ふむ。やるのは私ですが、肉焼くだけなら手間かかんないし……それでいっか。
めっちゃ都心に住んでいるにも関わらず、ご飯は自炊派です。
「え、外食好きじゃない。注文するのめんどくさい」
家人がそう言うものですから、近所にある美食の店や行列のできる店には目もくれず、スーパーに行きます。
スーパーでセコく20%引きになっているお肉を買い、「ワインは選んで」と近所の酒屋さんに引っぱっていきました。
そうして選んだのがスペイン産のテンプラニーリョ100%のワインです。
最初「天ぷら?」と思いました。私もツレもワインに詳しくないのです。お店の人のオススメです。
まぁ、とにかくスペインではよく栽培される品種であること、それにこだわって作っているワイナリーであることはわかりました。買い物の楽しさはお店の人や他のお客さんとのやり取りなので、試飲までさせてもらったし……と購入。
ワインセラーなどないので、ふつうに冷蔵庫にしまいます。
(牛肉は塩コショウで焼くだけ……野菜はほしいよね)
ワインを買うというのは、ちょっと特別な感じがします。いつもより張りきりました。
肉を焼き、付け合わせは人参とブロッコリーとポテトにキノコ。すりおろした玉ねぎに醤油やみりん、酒と酢に砂糖を合わせて煮詰めた和風ソースをかけます。
炊飯器に残っているのは冷ご飯。雰囲気が出ないので、ふた欠片のニンニクをスライスし、オリーブオイルで炒めてから塩をふり、パセリを散らしてガーリックバターライスにしました。
ワイングラスもありませんが、グラスに注いだ赤はとてもきれいな深みのある色です。ラベルにはBALBASとあります。テンプラニーリョ、テンプラニーリョ……絶対忘れるのでここに書いておきます。
「え、これちょっと……リピート決定!」
和風ソースは玉ねぎの甘味が肉や野菜を引き立て、ニンニクの風味もガツンとパンチが効いています。ステーキもライスも気にいったみたいで、モリモリ減っていきます。
ただグラスに注いだだけのワインを、家人はクルクル回しながら楽しそうに飲んでいます。香りが変わるらしいです……どこで覚えたんだそんなこと。
「これさ、やっぱ外食する気になんないよ」
……でしょうね。私も満足です。
ちょっと手をかければ、日常の料理すらも楽しいイベントになる。
まぁ、ふだんは原稿が夜中までかかって寝坊して、カロリーメイトかじって仕事したりしてますが。
【和風ソースレシピ】
すり下ろしたタマネギ1/2個、しょうゆ・みりん・酢・酒大さじ2杯ずつ、砂糖大さじ1を合わせて火にかけ煮詰める。
【ガーリックバターライス】
スライスしたニンニク2片、オリーブオイルで炒める。ニンニクはいったん取り出してご飯を炒める。バターはふわっと香る程度に放りこむ。ニンニクとパセリを散らす。