死体撃ちナポリタン
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
私の給食のナポリタンはこんなんでした。
作った方に大変、大変、失礼ながら、
あれはスパゲティに対する冒涜では? ( '-' )スンッ
と思ってた幼少期です。
これが許せる方、宜しくお願いします。
小学生の時に食べたナポリタンは、何時も麺が伸びきっていた。大きな樽の中に麺とソースが絡まった状態で送られて来て、ギザギザのあるお玉で掬って配給された。その扱いはまるで、『伸びきったお前にはこの扱いが相応しいだろうよ……』と無言で侮蔑されている様なものだった。
だから私はナポリタンにあんまり良いイメージがない。麺は伸びきって、橋で摘むと容易く千切れて、もちゃもちゃとした食感しか残らない。そんな……食べ物だと思っていた。
「お前、誕生日だろ。なんか奢ってやるよ。ただし、俺が奢れる値段にしろよ?」
恋人というより相方の様な存在の彼は、にっと口角を上げて老舗の洋食屋へと連れてってくれた。流石……私の好みを良く分かっていらっしゃる。
早速店に入ってメニューを捲ると、並ぶ洋食、目を引く料理。オムライスからカツレツ、餡掛け焼きそば。デザートに至ってはお馴染みのプリンアラモードもある。
此処に来たからには、どうしても食べたいものがあった。大人のお子様ランチ。オムライスとか、エビフライ、ハンバーグ等々、子供が好きそうな物がワンプレートの乗せられている。さっそく指を差そうとしたその時、あんまり得意じゃない一文が。
「……」
ナポリタンの文字……。見た時には上手く視線を交わしていたが、しっかりと画像にもスパゲティが乗っている。
「どうした?」
「んー……。何でもないよ。これ」
「はいよ」
彼は指さされた大人のお子様ランチを見て、黙って頷いた。
待つこと早数分。出されたのは写真通りの美味しそうな洋食詰め合わせだった。オムライス、ハンバーグ、エビフライ、そしてナポリタン……。
彼は好奇の視線で私と運ばれた料理を見ている。私はぎこちなく笑顔を一つ浮かべると、クルクルと麺をフォークに巻き付けた。
「あら、美味しい。トラウマ克服するレベルで美味しい」
本当に美味しい。トマトソースはちゃんと酸味が利いていたし、何より麺が伸びてない。ツルツルしてる。噛む事にぷちんと切れるその様はちゃんとしたスパゲティだった。
「何だよ。トラウマって」
小さく肩を震わせる彼に、私は過去にあった話をした。給食のナポリタンの麺が伸びきってた事。何時もお玉で掬う様に更に盛られたこと。食感がもちゃもちゃしていた事。それから、掬う器具はおたまじゃなくて、トングにする事。
彼は黙って聞いていてくれた。それからまた肩を震わせて、笑っていた。
「栄養バランス考えてくれるのは有難いけど、もう少し配慮して戴いた方が、個人的に幸せに食べれたなーと」
「お前のそういうところが好き。ケチャップ着いてんぞ」
「あら、失敬」
彼の視線は何故か慈悲に溢れていた。何故突然愛の言葉を吐いたのかは、私は全く分からない。とりあえず、ナポリタンは克服した。
最後の台詞は、彼女の行動全てを内包して言った言葉だと思います。
子供舌を思わせる描写。
口周りにケチャップ付けてるところ。
せっかく食べられる為に調理されたのに、よもやスパゲティの扱いをされていない事に対する怒り。
子供のように無垢で、歪んだところが少ない所を見て、言ったのだと思います。
変な拘りを持つのって、子供らしくないですか?
大人になると周りに染まるので、薄くなりそうな。
次の話について
幻想奇譚は書きたいですが、脳がゆだったので、今のところ保留です。