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雨と俺と佐野ちゃんと

高野航平sideのお話。

あれは4年くらい前か


「うわっ、やっべ!今日晴れるって言ってたじゃん!」

大学の退屈な授業を終え、やっと帰れると思ったのに急に雨が降ってきやがった。


「あんのハゲ天気予報士、嘘ついたな!傘持ってきてねぇよ」


雨宿りができる場所を探して、見つけたのが大きくも小さくもない本屋 雨宮書店。俺がよく漫画を買いに行く店だ。なかなかに雰囲気も良い本屋だったから俺的に結構気に入っている。

でも最近、大学の勉強をしていなかったツケが回ってきてテストがやばかったので、漫画を買いに行けてなかった。


「雨宿りついでに漫画でも買おっと。少女漫画、新作どんなのが出てっかな〜♪」

「おっ!コレいいじゃーん!結構ドロドロ系笑」

と、いつものように本を買っていた。ここまでは。


「いらっしゃいませ。」

「っ…」

「…お客様?」

「あっ、あぁすいません。」

「商品、お預かり致します。」


好きだな、なんか好きだな。そう思った。

その日の昼間に友達の一目惚れした話を聞いて馬鹿にしたばっかりなのに。一目惚れなんて無いと友達の前で言ったばかりなのに。


これが「一目惚れ」ってやつか。

馬鹿にしてごめんよ、山下。あったわ。てか自分でなっちゃった。


髪はボブくらいで両方耳にかけていて、美人系でもカワイイ系でもない「普通」のジャンルに分けられる女の子。でも、目が今まで会ってきた人たちの中で1番一生懸命で、キラキラしていて、綺麗だった。


名札には「さの」と書かれていた。



「俺がこの店の店員になる前に、この店に通いつめてたんだけど覚えてる?って佐野ちゃん、俺の話聞いてる?」

「聞いてますよ」

「じゃあ俺今何話してた?」

「…道鏡ってなんだか言いたくなるよねっていう話」

「どうなったら道鏡が出てくるの笑笑ウケる笑笑」

俺の事が苦手なんだろう。顔に「にがてだ」とモロに書いてある。


でも俺は諦めないぞ!振り向いてもらえるまで何回だってアピールし続けてやる!

と気合を入れていたら、上原さんと目が合った。

上原さんの顔には「おまえはばかか笑」と書かれているようだった。


…なぜだ?

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