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第9話 仁王視点

 天界の神々が住まう大神殿の大広間では、固唾を呑んで森を抜ける瞬間を待つ神、大声で応援する神、地上に降りてリルリルを案内しようとする神、言えることは…全ての神がリルリルに注目しているということ。


「だからって、俺に言われてもなー」とナニカはため息をつく。

「あの…。そろそろ…正体を教えてもらっても?」

「そ、そうだな…。俺は仁王。『慈悲と無慈悲の神イラリオン』に拾われた元人間だ」

「何かすげー過去がありそうですね」

「まぁ…。それなりにはな」


 深い深い森の中。一人で心細いのかリルリルは、大声で歌ったり…音痴だけど、スキップしたり…転んだけど、手拍子しながらダンスしたり…下手だけど…して、自分を奮い立たせていた。


 糞可愛いな!!


 そんな仁王と飢えた魔狼の耳に、自然の音ではない…剣戟の音が聞こえてきた。それは普通の人間であるリルリルに聞こえるのも時間の問題だった。


「えっ!? 誰かが…戦ってる!? ひ、人がいるの!?」


 いやいや…行っちゃ駄目!! もうっ!! 危険な場所に行かないで!!


 仁王の悲痛な叫びは、勿論、リルリルに聞こえない。


 リルリルも冷静になったのか、悩みのポーズである腕組みで考えている様子。


「そうだ。行かないでくれぇ…」


 しかし、リルリルの出した答えは――


「だって、人がいるんだよ!? 行くしかないでしょ!!」


 走り出したリルリル。目的まで一直線に進む作戦なのか、『お祓い棒』で木々をなぎ倒しながら走るリルリルの様は、まさに疾風迅雷である。


「速っ!? どーなってんすか!?」


 飢えた魔狼は、仁王にどうしてあんなに速いのか問いかけていた。


□□□──────────────────────

神具:巫女装束(白足袋)

贈主:衣装と装飾の神ゼレーニン

加護:肉体を風と雷に変え疾風の如く走れます。また

   高くジャンプできます。加護中は騒音に注意。

   空腹により『巫女装束』全てが透けるため注意

   が必要です。また加護を発動するとより空腹に

   なります。

──────────────────────□□□


□□□──────────────────────

神具:巫女装束(草履)

贈主:衣装と装飾の神ゼレーニン

加護:浮遊の効果があります。雲の上でも川の上でも

   立ち上がり、歩くことが可能です。

──────────────────────□□□


 仁王から説明を受けた飢えた魔狼は、「やっぱり、チートすぎませんか?」とぼやく。


「それよりも追いかけるぞ!!」


 神々に「見えんじゃないか!! 早く追いかけろ!!」と怒られ半泣きになる仁王。


 「畜生!! 何で俺が…」

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