表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/25

第3話 ???視点

「畜生…何で俺があんなチンチクリンを…」


 往来の少ない街道は荒れ果て、多少草花が少ない轍がどうにか道筋を示していた。それは右へ左へと蛇行しながら永遠に野原の先まで繋がっている。


 空と大地の広さに感動したのは一瞬だけ。今は代わり映えしない風景にウンザリする。そして慣れない地上の仕事で疲労が溜まってきた。仕事と言っても、天界にいる神々たちへチンチクリンの姿を見せるために、姿を消して撮影しているのだ。


 チンチクリン…いや、チンチクリンと言うと神々が怒り出すからな。リルリルは、相変わらず元気に街道を歩き続けていた。


 音痴だけど不思議な鼻歌を口ずさむ上機嫌のリルリルは、注意散漫なのか…狡猾に忍び寄る飢えた魔狼に、囲まれていることに全く気付いていない。


 神々からは、「何があっても決して手助けをしてはならん!!」と命令されていた。神々は、リルリルが好きなんだよね? 何か矛盾してないか? 女の子が飢えた魔狼に食われる場面が観たいのか!? それでは悪魔じゃないか!! と心の中で叫ぶ。


 ガルルルルゥ…。


 た、食べるき満々かよ!! 逃げろ!! リルリル!!


 驚いたリルリルは後ずさりする。しかし、小石に躓いて倒れてしまった。まさか…街を出て数時間で…死んでしまうのか!? 俺は、確かに魔狼の前足がリルリルの顔面を叩きつけたのを見たはずだった。


 しかし、リルリルは、顔をペタペタと触って…逆に傷が無い事に驚いている。いや、俺も驚いているけど!? どーなんてんの!?


 よく見ると、飢えた魔狼たちがリルリルを鋭い爪で引っ掻いたり、脚や腕に噛み付こうとするが、全ての攻撃がすり抜けていた。


 えっと…。どういうことだ? 慌ててリルリルのステータスを覗き見する。


□□□──────────────────────

名前:リルリル(人間・女性13歳)

職業:巫女(Lv1)【RPG中変更不可】

強さ:街の女の子並

念仏:『インベントリ』、『召喚:お祓い棒』

合掌:『召喚:経典』

神楽:『歌舞』、『祈祷』

効果:白衣(環境適応)

   緋袴(魅力アップ)

   千早(敵意から保護)

   白足袋(行脚支援)

   草履(浮遊)

──────────────────────□□□


 なんだか効果がいろいろあるけど!? これは『巫女装束』の効果? 恐らくそれっぽい、千早(敵意から保護)を詳しく調べてみる。


□□□──────────────────────

神具:巫女装束(千早)

贈主:衣装と装飾の神ゼレーニン

加護:敵意に満ちたあらゆる現象をすり抜けさせ身を

   守ります。空腹により『巫女装束』全てが透け

   るため注意が必要です。また加護を発動すると

   より空腹になります。

──────────────────────□□□


 確かに…飢えた魔狼たちが攻撃すればするほど、『巫女装束』も透けてきている気がする!?

 えっ、俺…見ちゃ駄目じゃないの?

 いやいや…神様?

 貴方達も見ちゃ駄目でしょ!?

今日は3話までです。

こんな感じで話は続いていきます。

またガールズラブは、もう少し後で…。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ