第24話 エミー視点
街はお祭り騒ぎです。街の収入源になるかも知れない古代遺跡型ダンジョンの発見。そこから溢れかえったゴブリン達の襲来。攫われた女子供たちの劇的救出。ゴブリンロードの討伐。遺跡から持ち帰った初回限定的なお宝ザクザク。これが全て一人の少女をきっかけに発生した事件だなんて、誰が想像できますか!?
リルリルが帰ってきたとき嬉しくて抱きついてしまいました。しかし、ミレナ様とリルリルと同じような不思議な格好のボーイッシュな女の子に引き剥がされてしまいました。
うわぁ…。三人共、可愛い…。自分だって、少しは可愛いと自覚があります。でも、3人に比べれば恥ずかしすぎて可愛いなんてとても言えません。
3人は私の横を通り過ぎて、部屋に向かってしまいました。私は大声で呼び止めます。
「お、お風呂のご用意が! 街の英雄のために用意しました!!」
お風呂は複数の魔道具を稼働させるため、かなり高い出費なのですが、私のお小遣いを全部投入して用意しました。
「こ、こちらへ…。あっ、下着は、この魔道具の中にお願いします。お風呂から出ることには洗濯もが終わっていると思います…」
リルリルは躊躇なく『巫女装束』を脱ぐ。その下には下着など身に付けていなかった!? 私と、ミレナ様と、ボーイッシュな女の子は、リルリルの隠されるべき箇所を上下のコンビネーションで目に焼き付けていた。
「あっ。リルリルお姉ちゃん、待て」慌ててミレナ様もすっぽんぽんになる。私は舐め回すようにお宝を目に焼き付ける。
はっ!? ボーイッシュな女の子の冷たい視線を感じた。
「ボクも君も同じタイプなんだね」
ボーイッシュな女の子は、興奮して出てしまった私の鼻血を親指で拭った。あれ? ボーイッシュな女の子も鼻血が…。
「ボクが脱ぐ前にキミが脱ぎなよ」
「へっ!? 私も一緒にお風呂に入るの!?」
「それはそうさ。可愛い子が沢山いたほうが、ボクは嬉しい」
人に見られながら衣服を脱ぐのがこんなにも恥ずかしいことだったとは…。新しい何かに目覚めそうです。
「ほら、隠すなんて邪道だよ。そうだな…。隠して見せないのなら、ミレナに言っちゃおうかな…」
「ず、狡いです…」
両手を広げて全てを晒しだすと、嬉しそうなボーイッシュな女の子は、バッと衣服を脱ぎ捨てた。あっ!? リルリルと同じ下着を身に着けていない!?
ボーイッシュな女の子に、肩を抱かれながら浴室に入ると、「ちょっと、何で貴方が入ってくるのよ!?」とミレナ様に怒られたのですが、「ボクが一緒に入るように言ったのさ」とフォローしてくれた。
流石に四人で湯船に入るのはきつく、肌と肌が触れるどころか、完全にくっついた状態でした。というよりも、ボーイッシュ女の子、リルリル、ミレナ様の順で湯船に座り、その足元に寝る形で私が入っているのです。3人の視線が自然と私の裸体に集まります。
「エミーの体が一番大人です」とリルリルに言われて体中が真っ赤になる。
「わ、私だって…そのうち…この何倍も…」とミレナ様が張り合います。
「ボクは好きだよ」ボーイッシュな女の子にも褒められました。
こんな幸せな事があって良いのでしょうか。
これは夢です。
きっと夢です…。