第22話 ミレナ視点
お祓い棒という武器で、ゴブリン達をぶっ飛ばすリルリルお姉ちゃん。でも、何故かその隣には私がいます。「えっ!? 私も行くの!?」リルリルお姉ちゃんは、私の手を離しません。遺跡への穴を下りて、どんどん進んでいきます。
「ボクも一緒だから大丈夫だよ?」
「えっと…。お姉ちゃんは…」
「あぁ、はじめましてだね。ボクはエデルトルート。リルリルの友達さ」
「はじめまして。私はミレナです」
エデルトルートお姉ちゃんは、バサッと衣服を脱ぐ捨てると、町娘のような格好から、リルリルお姉ちゃんと同じ見たこともない不思議な格好になりました。
「もしかして、エデルトルートお姉ちゃんも『ロールプレイングゲーム』該当者?」
「うん? リルリルもそんなこと言ってたな…。そこっ!!」
エデルトルートお姉ちゃんは、リルリルお姉ちゃんの背後に迫っていた、ゴブリンを何かを投擲して倒しました。
やっぱり…。普通じゃない…。
エデルトルートお姉ちゃんが『忍術』というスキルで、『焔焔』というプカプカ浮かぶ炎を訪韓して、周囲を照らしながら更に奥へと進む。
「おい。お嬢ちゃん達!!」冒険者たちが、私達に追いつきました。
冒険者の人たちは、「お嬢ちゃん達を先頭で戦わせるわけにはいかない。俺達の後ろにいてくれ」と、必死にお願いしています。しかし、リルリルお姉ちゃんは、ほっぺたをぷっくり膨らませて怒っています。多少、商人のお手伝いをしている私には、冒険者たちの気持ちは理解ります。冒険者の矜持ってやつですね。多分…。
「リルリル。この遺跡が何処まで続くか理解らない。力の温存も冒険者にとって必用な考え方だよ」
エデルトルートお姉ちゃんに諭されたリルリルお姉ちゃんは、「うん、わかった。帰る…」と素直に従います!?
「えっ!? 帰るの??」
「うん。眠い…」
戦闘継続から解放され、緊張の糸が途切れたのか、リルリルお姉ちゃんの目は、半分ほど閉じています。
「おいで、リルリル。ボクが背負ってあげる」
それを見ていた冒険者たちは、「俺達が攫われた女子供たちを救うから、帰って待ってろ」と言ってくれました。それに私もこれ以上、遺跡の奥に行くのは怖かったので、助かりました。
「ギャガガガガッ!!!」
暗い通路の先、今までのゴブリンとは異なる大きく不気味な叫び声。
「不味い。こいつは、ゴブリンロードだ!」
「て、撤退だ!!」
冒険者たちに、ゴブリンロードと対峙できるだけの実力者はいないらしく、恐怖が伝染して浮足立ち始めました。
「ミレナ、ボクが戦うから、リルリルをよろしくね」
スピーっと眠るリルリルを預けられました。眠って体温が上がったリルリルお姉ちゃんを抱きしめて、遺跡の壁によりかかりながら座ります。
エデルトルートお姉ちゃんを見上げると、フッと楽しげに笑っていました。