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第19話 エデルトルート視点

 影から出たボクに、「よかったぁ!!」と、嬉しそうに抱きつくリルリル。本当にあと数cmで唇と唇が触れそうな距離。そしてリルリルは澄んだ瞳をウルウルさせていた。


 でも、そんな大声で騒ぐから、ゴブリンに見つかってしまった。


「ギュギュ!!」恐らく、子供の女の子二人組だから余裕だと思ったのだろう。ゴブリンが棍棒を振り上げ襲ってきた。


 「任せて!」と、駆け寄るゴブリンに向き直り、両手を胸の前で合わせ目を瞑った。するとボフンッ!? と煙と共に分厚い本が、合わせた両手の前に現れ、プカプカと浮かんでいた。しかも、余裕そうにペラペラとページを捲り、「एक तीर मारो」 と不思議な言葉で何かを唱えた。


 リルリルの頭上から一本の光の矢が放たれた!? 


 ズゴォォォーーーン!!! 


 土煙を上げ着弾した地面は抉り取られ、ゴブリンは跡形もなく木っ端微塵になった。


 これは…。冒険者ギルドで使ったスキル!? 兎に角、オーバーキルだ。


「破魔矢です!!」

「リルリル、ここから離れるよ! 爆音を聞きつけ、冒険者やら魔物やらが集まって来るかも」


 リルリルのプヨプヨプニプニした手を掴み、街道を目指して走り出すが…。


「待つがよい!」


 二人は同時に振り返る。


 不気味な髑髏の杖を持ち、深く薄汚れた魔道士のフードをかぶる男。その声からして老人だと判断できた。しかし、確かに目の前にいる男から気配を感じない!?


「我は神に従う愚かな使徒を狩るために生きながらえる者じゃ。出会ってそうそう悪いが、死ぬが良い」


 老人は髑髏の杖をリルリルに向け「काली रेखा」と呟く。すると黒い線が音もなく、リルリルの心臓へ一直線上に伸び貫く。


 殺意もない動作。ありえない…。せめて殺意を感じ取れたら動けたのに!


「リルリル!!」


 しかし、リルリルは何事もなかったかのように「何するのよ!!」と叫び、左手の甲を腰に当て、魔法を放った老人を指差す。


「なんじゃと!?」 


 リルリルは老人が驚いている隙に、ボフンッ!? と煙と共に分厚い本を召喚して、「शुद्ध करने की छड़ी」と不思議な言葉を可愛い声で紡ぎ出す。


「お祓い棒です!!」

「だからどうした!! そんなもの…な、なんじゃぁぁぁ!? ごぼっっ!!」


 老人らしからぬ軽やかなバックステップで確かに避けたように見えた。しかし、何故か不思議な棒は老人の腹部にヒットして、老人を森の奥へとぶっ飛ばした。


「リルリルゥ!!」とボクの頭上から声が聞こえた?


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