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第16話 仁王視点

「あの…爆発は一体!?」


 俺は頭を抱え困惑する。そして、ある事を思い出す。あれはリルリルが昨晩、『商いと幸運の神マチュヒナ』、『旅と巡り逢いの神チェシェンコ』、『健康と喜びの神エローヒナ』に神楽の『歌舞』で歌って踊って、『祈祷』で祈りを捧げた後の出来事…。


 ◇


 天界の神々が住まう大神殿の大広間――


「我々の時代の到来じゃ!! あの商人共良い働きであった!!」金ピカジャラジャラなアクセサリーで体中を飾る『商いと幸運の神マチュヒナ』は『始まりと転職の神アバーエフ』に中指を立ってて言った。


『旅と巡り逢いの神チェシェンコ』は、『衣装と装飾の神ゼレーニン』と笑顔のリルリルが写ったブロマイド写真を取り合っている。


「まぁ、まぁ、皆さん仲良くリルリルちゃんを見守りましょうよ?」『健康と喜びの神エローヒナ』が全員を諭すが、「リルリルちゃん? 貴様っ!! 馴れ馴れしいわ!!」と、『勇気と戦いの神シーガレフ』に怒られていた。


「で? お前ら三人は、祈りのポイントを何点あげるんだ?」『酒と女の神バジョーフ』が尋ねた。


「「「30ポイント!!!」」」三人は見事にハモった!!!


 それを受けて『報告と美声の神ストゥーリン』は、「『Lvが上がりました』、『念仏に破魔矢が増えました』」とリルリルの頭に話しかけた。


 ◇


 俺は天界の様子が理解らないと仕事がやり難いという理由で、天界の様子が見れる水晶を神々からもらったため、リルリルが新しいスキルを手に入れた事を知っていた。


「『破魔矢』か…って、あんな威力必要か!?」


 そして、神々から穴の中がみたいとか、面倒な要求が来た。無視など出来ないので、言われた通りに穴に下りる。


 うん? ここは…。古代遺跡か?


「ど、どうなって…いやがる…」

「なんだ…ここは!?」

「た、宝があるかも知れねぇぞ!?」


 と、冒険者たちは案外楽しんでいる様子だ。重傷者や死者はいないようだ。一先ずリルリルが殺人者になっていないことに、ホッとした。


 リルリルを探す。


 リルリルはすぐに見つかった。いつも通り、リルリルは周囲の混乱なんか気にしない。遙か頭上の出口を見上げ、ほげーっと見つめて、「行けるかな?」と呟き、ピョンとジャンプして冒険者ギルドのフロアに戻ってしまった。


 冒険者ギルドに戻ったリルリルは、冒険者の素行が悪すぎると、受付嬢に散々文句を言った後、壁から床に落ちたクエストボードを真剣にみて「これが楽しそうだな〜」とか言いながら出て行く。しかし、出口でようやく冒険者ギルドの建屋が傾いていくことに気が付き、しばらく斜めの建屋を見ながら腕を組んで考えていた。


「私が原因? いや…違うし…」リルリルは何かを納得して、街の外へと向かった。


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