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ーーGishüーー  作者: 炉鈴途 絢慈
第一章 地獄に堕ちた人たち
2/3

第一章1 『濫觴』

 

 ーー色んな仕事があるなかでも

 どんな所にでも工場はある、そして

 多種多様な部品を生産し加工検査及び出荷をする

 仕事それが一般的な工場の在り方


 だと思う、だが。



 僕は違う…正確には僕たちは違う…



 とある…山の奥そしてさらにその奥…

 乱雑していて視界が良くない森の中歩くにも

 一苦労なその森林を抜けた先に…それはあった


 ポツリと建っている工場

 とてもとても大きく、入り口付近には何台も

 フォークリフトが止められてる


 中は綺麗に整理されてて、タイムカードも

 しっかり五十音順に並べられており。


 周りをタイルであしらえた陶器製の洗面台は

 綺麗に保たれていて

 薬用ハンドソープも満タンまで注がれている、


 トイレにはぎっしりストックされた

 トイレットペーパーの山たちに、

 クリアミントと書かれた

 芳香剤のいい香りが辺りを埋め尽くしている


 何度も使われていなければならない

 休憩室のソファーは座れば当たり前に付く

 シワも食べるであろうお菓子の食べカスも

 糸くず1つない新品同様だ


 そんな一度も使われた事の無いかの様な

 機械たちはまるで、誰もここで働いていない事を

 思わすような不快な不気味さ、そんなとても

 綺麗で大きな工場のその地下深く深くに


 …そう…僕らは勤務してる…




    ー僕らは地獄に落ちた生贄だー





※※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


 始まりはひょんなことだった

 どんな出来事にもきっかけがなきゃ、


 始まりはしない…


 僕等はとある目的の為…誘拐された


 …拉致、拐う…


 他にも色んな表し方があるが…

 ここでは誘拐としよう


 本来誘拐する理由といえば、


 金銭の要求、また私欲のためや


 醜い自分の欲望や欲求を満たす為に


 特定の人または無特定の人を誘拐をする


 でも、そんな理由とは違い…


 別にただ自分達の出来ない


 危険な仕事をさせる為、無論そんな仕事させる事も

 する事も禁止されてる、だが…

 それでも法を犯してでも

 そんな仕事をさせるべく若い男を大量に誘拐し

 工場の地下深くに連れ込み


 檻に収容させ無下に扱いまるで

 囚人みたく働かさせられる…


 僕も誘拐されたその1人だ…15歳の時だった…


 8月25日猛暑の日だった…僕は残りの夏休みを

 過ごしていた、夏休みの勉強も残すは

 毎日欠かさず書いている絵日記とラジオ体操のみ!

 子供と思われるかもしれないけど…

 中学3年の最後の夏、、高校生になってからは

 絵日記なんて書く事は無いだろうし。

 そして、これからも無いだろう、少し歳不相応な

 事を思い、今しか出来ない事だからこそ

 全力でしたかっただけなのだ。

 そんなこんなで夏休みも残り一週間


 知ってる友達は皆、

 家族と夏休みの最後の旅行に行っていた、

 僕の家ときたら夏休み入ってすぐ

 デステニィワールドへ行ったので今になって

 1人でやる事もする事も無いそんな僕は


 図書館に本を借りに行った

 僕は基本ゲームとかはやらない、

 勿論ゲームセンターにも行こうと思わない

 理由は…極端に公園で遊んだり、

 野外スポーツの方が好きだからだ、

 横目でゲームの話をしてる友達を見て何事も

 リアルで楽しむ方がいいのではないかと、心の中で

 常日頃思っていた、そんな僕も読書は好きだ、

 物語を読み、自分ならこうしていた、ああしていた

 と思いそれを楽しみ、これからどうなるのか、

 この伏線はどう回収されるのか、そんな事を

 無我夢中に時間を忘れて没頭出来る存在、

 それが僕にとっての読書だ。だからこそ

 本のたくさんある所=図書館となるのだ


 ゲームも読書と同じく、または違った魅力に

 溢れているからこそ、するのだろうか?

 今度ゲームデビューでもしようかなと

 そんな事を思う今日この頃


 そして無事、本を何冊か借り帰路に着いていた道中

 その日は最高気温かと思わせるほど暑さ

 頬や体を優しく撫でる熱風…

 道々の木々に止まり鳴き続ける蝉の声…

 高温に熱されたアスファルトは靴底を貫き

 足にまで猛々しく熱を連れてくる。


 必死に鳴いて生を全うしている蝉は

 とても健気で素晴らしい事だけれど、

 この時の僕は暑さも相まってしまい

 少し苛立ちを覚えてしまった…でも直ぐに

 それは人間の勝手な気持ちだと思った、エゴだ…

 何故なら虫や生き物たちにも

 自由の権利があるだからこそ、尊重しなければと

 そう気持ちを改め歩き続けた。


 正直、今日は家でエアコンのついた部屋で

 違う本読みながら、100%オレンジジュースでも

 飲んで過ごした方が良かったのではないかと

 思わせていた。そして日も暮れ始め、

 夕方17時のチャイムが町全体に鳴り響いていた

 もう家まで10分〜15分程度の所まで来ている、

 あと少し…あと少しの…

 辛抱だと自分に言い聞かせていたが…


 少しでも早く帰ろうとした僕は家までの

 近道で帰ろうと思った。


 けど、そこは…車の通りもほぼ無く、

 人気も少ない、ましてや大きな建物のせいで

 日陰になっており、人気の少ない角の通りに

 なっていた。以前、ショッピングモールから帰る

 車の中で両親に言われた、


 あそこは、人通りも少なく行方不明になる人も

 多々、居るそうだと、真相は不明だが、

 そうゆう噂を聞くのは事実らしい…

 両親は僕の身を案じてそう言ってくれてるのは

 理解していた、していたからこそ、悩んだ

 通るか、否か、

 しかし、子供はダメと言われると

 尚やらずにはいられない性質がある

 それにこの暑さは僕の判断能力を低下させるには

 絶好のシュチュエーションだった


 僕は平気と高を括り近道の角に入った。


 その瞬間…ッ



 僕の目の前に映ったのは…大きな黒いワゴン車に

 連れ込まれそうになる少年の姿だった…


 年齢は同じ位?涙目で今にも泣きそうだった


 僕は誰かに助けを求めようとした…!


 だが無論、人は誰も通ってなく…

 誰か人を連れてこようと引き返そうとするが

 それまでに、この子はどうなるのか?

 もし人を連れてくるのが遅ければ、

 そのまま連れてかれるのでは…?





 …思った…ふとっ…僕が救わなきゃ…。。




 そんな考えが…脳裏を巡るまでに

 そんなに時間は掛からなかった。


読んで頂き有り難うございます〜!

次話もお楽しみに〜♪(*^^)o∀*∀o(^^*)♪

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