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本編に書ききれなかったダリオ視点を【ダリオの独白】として活動報告に載せさせていただきました。

本編83話読了後にお読みいただけたほうがよりわかりやすいかと思います。

もし髭熊の考えていることに興味がおありでしたら各話か目次の一番下にある【作者マイページ】からご覧くださいませ。







編み込むべきかサイドに寄せるかアップにするか全て下ろすか



「うーん…、どうしようかな」




薄茶色の長い髪にブラシを通しながらミーシャは本日の髪型に頭を悩ませていた


一昨日のハーフアップは自分でやったとはいえ大好きな人とお揃いにできたうえに褒められて幸せだった

昨日の編み込みは金色の鈴が軽やかな音を鳴らしながら焦茶の髪紐と共にすぐ視界に入るのが幸せだった

今日も大好きな人の色を身につけライに居場所を意識してもらうことは当然決まっているが昨日と同じ髪型というのもつまらない


折角ライと過ごすことができる日々なのだからミーシャとしては少しでも可愛く見られたいという恋する乙女の健気な奮闘だった



解かした髪に触れながら悩むミーシャはふと自分の髪の触り慣れたサラッとした感触に別の髪質を思い出す

焦茶色の柔らかい髪はミーシャと同じく一本一本が細いのだが触り心地は全く別だった

思い出せば簡単に胸が高鳴る王室御用達並の触り心地はまさに至高と言わざるを得ない


そう思うとミーシャはライはミーシャの髪に触れてどう思ったのか気になり始める

絡みにくいサラリとした感触は自慢でもあったが触れた人が好きな人なら途端に不安にもなる



(何度か頭撫でてもらってるし大丈夫だよね…?)



自分の髪の先を摘みながらムゥと僅かに唸ったミーシャだったが節くれ立つ大きな手の感触を思い出して僅かに顔を赤らめた


大丈夫大丈夫と口元を緩ませながら幸せを反復したミーシャはライに頭を撫でてもらえることを期待して目一杯触ってもらっても大丈夫なように髪は下ろすことにした

それに店が再開すれば髪をまとめなければいけなくなる

そうすると下ろした髪型は中々出来なくなるので楽しむなら今の内だ


髪型が決まったミーシャは宝物となった髪紐を手に取ると髪紐の両端をそれぞれの手で摘み髪の下に紐を通した

通した紐を頸の上辺りまで上げると手に持った両端を前寄りの頭頂部に持っていく、その際紐は耳の裏側にくるように調整するのも忘れない

そして頭上に持ってきた両端の長さを調整してから頭の片側に結び目を作りそのままリボン結びにする

リボン結びにした箇所以外で見えている紐を髪で隠せば完成だ


紐の先でリンと鳴る好きな人の瞳と同じ色の鈴にミーシャはニッコリと笑みを浮かべた









支度のできたミーシャがライの部屋に突撃すべきが悩みながら部屋を出ると客間の扉からライが出てきた

支度に手間取ったとはいえ未だ日も明けきらぬ早い時間にライが起きてきたことに驚いたミーシャは小走りで駆け寄る


「おはよう」

「…はよ」



ー ズキュン


もしや寝れなかったのではないかと心配して声をかけるつもりが美神に美声で挨拶を返されてしまった

幸せを過剰摂取したミーシャは用件を言えずに胸を押さえて悶える

朝から奇行に走るミーシャに既に慣れてしまっているライは気にせず歩き出すと自身の頭をガシガシ掻き口を大きくあけて欠伸をした


その全てが矢となってミーシャの心臓を狙う、百発百中だ

朝からキュンキュンと忙しい心臓に堪えながらミーシャは当初の心配をやっと口にした



「早いね、眠れなかった?」

「いや、爆睡した」

「そうなの?ライも早起きだったんだ」

「あー、つうか俺元々そんな寝ねぇんだよ」

「え?」


キョトンと瞳を瞬かせるミーシャの問いにライは何でもないことのように話を続ける



「寝てもすぐ起きるっつうか。浅えんだろうな」

「そうなんだ…」


それならば寝込みを襲うことは無理そうだとミーシャはシュンと肩をおとした

いや襲うのではない、ただ大好きな人の寝顔を見たかっただけでそしてあわよくばその腕の中という特等席で目覚めの瞬間を見たかっただけであって決して貞操を狙ったわけではない、決してそう決して


既に欲に塗れているミーシャはフォローとも言えない誤魔化しを脳内で繰り返しながらもすぐに思い当たった不安に眉を下げた

突然大人しくなったミーシャにライが怪訝そうな表情を浮かべる


「どうした、静かだな」

「ライ、身体休めてる?」

「あ?」

「すぐ起きちゃうんじゃ身体疲れてない?」


眉を下げ心配そうに問いかけるミーシャにライは僅かに金の瞳を大きくするとすぐに息の抜けるような笑みをこぼした


「ンな柔じゃねぇよ」

「でも…」

「さっきも言ったろ、爆睡したって。おまえんち来てから寝てる時間伸びたしな」

「そうなの?」

「あぁ。坊ちゃんの愛用品も伊達じゃねぇぞ」



そう言ってライは口角を上げて笑った

その揶揄うような笑みにミーシャは目が離せない


まだ今日が始まったばかりだというのに既に複数の矢を射られている心臓にまたもや極大極太の矢を放たれてしまった

なんだこの神は毎日射らなきゃ済まないのかなんて素晴らしい習慣なんだもっとやってください


身体中から沸き上がる【ライ大好き】を抱えてミーシャは大魔神の腕へと抱きついた



「はっ!?」

「ライ大好き‼︎今日もかっこいいね!!」

「なっ!?はっ!?バッ、はぁ!!?」

「へへ〜ッ」

「~~ッ、どっからそうなった!朝からトチ狂ってんじゃねぇ‼︎離せ!!!」

「えー、じゃあ手ならいい?」

「わーったから離れろ!!!」



全身真っ赤に染まってしまった大好きな人のお許しがでた手を握ったミーシャはそのままライの指に自身の指を絡めた

今までの手を掴むだけの繋ぎ方よりもライの節くれ立つ指の感触を直に感じることができる

触れ合う面積が広がった繋ぎ方にミーシャは自分から指を絡めたとはいえ浮かんでくる羞恥心に思わず頬を染めてしまう



「はっ!?」

「ふふっ、照れるね」

「~~ッ!!ならすんなよ!!離せ!!!」

「えー、手なら良いって言ったよ?」

「おっまえなぁ!!!」



朝から怒声を放つ真っ赤なライを前にミーシャも頬を赤く染めて甘えていた

怒っても決して乱暴を働かないライに更に【好き】を募らせながらミーシャは静かに決意する



(これからも坊ちゃんの愛用品には頑張ってもらおう…)






そう、いつか必ず叶えたい願望(欲望)を実現させるために











衝動で短編一つ書いちゃいました。


「愛しくて」とも「あなた」とも全く関係ない完全に別のお話ですがもしご興味がおありでしたらどうぞ。


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