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長くなりそうだったのでぶったぎりました。えい





「そうだっ明日エイミーが服を届けに来てくれるからパンを多めに用意しておいてほしいの」



ミーシャは最後の皿を拭き終わると晩酌を楽しんでいた両親に声をかけた

先日大量購入したライの服を友人に届けてもらう際に日にちの約束も済ませていたミーシャだったが日々大魔神に魅了されることに忙しくすっかり忘れていた、溶けている中で前日に思い出しただけでも良しとしよう


酒を酌み交わしていた大人たちの輪に同じように皿の片付けを終えたライの手を引きながら加わる



「おい、なんで俺まで」

「まぁまぁ、ライはなに飲む?」

「……酒は「ライはまだ駄目だぞー」「チッ」



栄養不足が心配されるライの身体はある程度身体が出来上がるまで酒は控えるようにショーン医師から注意を受けていたためライの希望よりも早くカーターのストップがはいる

興味深そうに酒の注がれたグラスに向けていた視線を舌打ちと共に逸らすとライは憮然とした表情で椅子に腰を下ろした

そんなライにミーシャは「甘いのと辛いのどっちがいい?」と声をかけ自分の飲み物と一緒に用意し始める



「別で用意すんの面倒だろ。おまえと同じのでいい」

「ふふっわかったー」


優しい、流石聖人である


聖人の優しさに擽ったくなりながらミーシャは机の上でミルクパンの中にミルクを入れ温め始める

尚、食卓の上で小さな熱源を持って簡単に沸かすことができる道具は貢ぎ坊ちゃんからの貢物ではなくダリオの商店にてニナとミーシャのダブル笑顔でダリオから安く購入したものだ


見覚えのあるその道具を使うミーシャの笑みをデレ顔で眺めていたダリオは「かっわいいなぁ~」と感想をこぼしてからライに向き直った



「なんだ?坊主は飲めねぇのか」

「あ?」

「ライは細ぇからな。もっと肉が付くまで飲ますなってショーン先生に言われてんだよ」

「ほーん」



ダリオに対して警戒を薄めたものの未だ好感を持てないライは愛想のかけらもない反応をするがダリオは気にせずライの代わりに説明したカーターの言葉に相槌を打った


酒を飲むにあたって明確な規定が設けられていない世の中では細身であっても酒を飲む者は当然大勢いるがダリオはそのことを指摘しなかった

元々カーターからライの事情を聞いていたのかそれとも単に察しが良いのかはわからないがダリオはそれ以上追求することもなかった


その様子にカーターもライにダリオに対しての態度を注意することもなく飲み物を用意している愛娘へと話しかける



「それで、パンだったか。何でもいいのか?エイミーんとこが好きだったのは…」

「あ、そうそう。それでね折角なら昨日話した卵のパンも用意してほしいんだけど、いいかな?」



カップの中に木の実を砕いた粉と蜜を入れながら答えるミーシャは人並みに酒を飲むことも好きだ

しかし次に飲む時はまだ酒を飲んだことがないというライと一緒に楽しく飲めるようになってからと決めていた


ミーシャの言葉にニナが「あら、でも冷めてしまうでしょう?」と指摘すれば「うん、だからエイミーの家で試しに焼き直してみてもらって感想を聞こうかと思って」と考えていたことを伝えた

その話に小さな黒目を輝かせたダリオは前のめりになりながら話に加わる



「なんだ、ミーシャちゃんまた新しいパン考えたのか」

「まぁなぁ。美味かったぞ」

「昨日ライに食べてもらった時にも褒めてもらったんですよ。そしたらお父さんも出してもいいって言ってくれたんです」

「ほぉー!今度はどんなんだ?」

「卵液に浸したパンをチーズと一緒に焼いてみたんです」

「そりゃまた、美味そうだな」

「是非ダリオさんも食べてみてくださいね」

「勿論だ!」



力強いダリオの返事にミーシャが嬉しそうに笑う

そしてその笑みにダリオの顔面もダレる

その様子を黙って眺めていたライはミーシャから手渡されたカップを口に付けながら昨日食べた件のパンを思い出していた

ライと同じ甘くしたミルクを飲みながらミーシャは次にニナに願いでる



「お母さん作ってくれる?」

「あら?ミーシャが作らなくていいの?」

「お母さんが作ったほうが美味しいんだもん」

「そんなことないわよ。それに、エイミーちゃんのとこなら【香草】と【木の実】でしょう?下処理があるからミーシャが作ってくれると助かるわ」

「あー、そっか」

「また違うやつか。どんなんだ?」



ニナの言葉に友人一家の好きなパンを思い出していたミーシャに美声が問いかける

考え事をしている時に突然奏でられるとその美しさに驚いてしまうためミーシャは軽く暴走しながらもライの質問に答えた


「あのね、焼く前に木の実や香草を生地に練り込んだパンなの」

「煮詰めた木の実と塩漬けした香草をそれぞれ用意するのよ。これからライくんに手伝ってもらうこともあるだろうから明日ライくんも見てみるといいわ」

「そうする」



軽く暴走したため簡潔になってしまったミーシャの返事にニナが付け加えるとライも興味深そうに了承する

その様子をカーターと話しながら眺めていたダリオはグラスの酒を一気に飲み干すと「俺も食いてえなぁ」とカーターの肩に手を回した

その手を煩わしそうに払いながらカーターも杯を重ねる



「おまえは店始まるまで待て」

「なんだよ冷てえな。新商品ならアルダンデにも連絡いれるんだろう?俺にも先に食わせろよ」

「あそこは一応取引としてだ。それに商品として決まってる以上一番最初に教えなきゃなんねぇ」

「エイミーんとこはいいのか」

「娘の友人に試作品渡して何が悪いんだよ」

「屁理屈じゃねぇか。俺にも試作品として食わせろよ。したらアルダンデへの伝言頼まれてやるぜ」


ダリオの言葉にカーターが眉を顰め「あー…」と声を漏らす

その様子と初めて聞いた単語に疑問を抱いたライは隣りに座るミーシャへと尋ねた



「アルダンデ?」





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