50
長くなりそうだったのでキリが良いところでブッツリいったところ大分短くなってしまいました、楽しみにしていただいた方には申し訳ありません
せっかくの50話記念なのに…
まさかここまで長くなるとも続くとも思っていませんでした!
作者が飽きずに書き続けることができるのも一重に皆さまがお付き合いくださるおかげです
まだまだ作者的には50話でも完全に序盤で…書きたいシーンまで先が長いなーと遠い目になっておりますがもしご一緒いただける方はどうぞ生暖かく見守っていただけたらと思います。
長くなりましたが、ブクマ評価感想そしてここまでお読みいただき本当にありがとうございます!
「じゃあエイミー、またね」
「はーい、パン楽しみにしてるわ。ライさんも、また」
「あぁ」
店の前まで見送りに来てくれた友人に手を振り別れを述べたあとミーシャは隣りを歩く人物の腕にしがみついた
ライは一瞬身体を固めると不機嫌な低音美声で「おい」と抗議を唱えるがしがみつく狩人は譲らない
しかし今回は獣も負けずに「離せ、歩きづれぇ」と舌打ち混じりに抗議を続けたため渋々ミーシャは手を繋ぐに止めた
腕に当たる柔らかさに耐え切れない獣の勝利である
そんな狩人と獣の攻防を既に見慣れた友人の呆れをふんだんに含んだどんぐり眼に見送られ二人は次の店へと向かった
「まさか貢ぎ坊ちゃんとこ行くんじゃねぇよな」
「そんなことしたら明日には今日買ったものが大量に届くよ」
「…聞けば聞くほどイカれてんなそいつも」
「もって何」
「同じような奴が寄ってくんだな」
「ねぇ!」
続く悪口に流石のミーシャも抗議の声をあげ握っている手を強く引っ張る
しかし完全に揶揄うことを楽しんでるライはそんな抗議も気にも留めず喉の奥で笑う声だけが聞こえる
ライが楽しそうにしてるだけでミーシャはまぁいいかと許せてしまうのは惚れた弱みというのだろう本当にずるい
ミーシャは「もうっ」の一言でその話を終えると今から向かう商会の説明をすることにした
「今から行くとこは昔からお世話になってるところでね、お父さんの友達が商会長さんなの」
「坊ちゃんとこの商会デケェんだろ、そっち贔屓して反感買ったりしねぇのか」
「坊ちゃんのお父さんは常識のある商会長さんだからね、私情を仕事に持ち込んだりはしないよ」
「へぇ」
「それに坊ちゃん、三男だからね。跡取りでもないし影響力はそんなに無いと思うよ」
「あぁだから、従業員と婿入り狙ってんのか」
「いい迷惑です」
心の底から嫌だとわかる顔を前面に出して出来る限りの低い声を出すミーシャに「おまえそんな声も出んのか」とライはケラケラ笑う
そんな楽しそうなライにミーシャも笑みを浮かべるが胸の内は少し物寂しい
ライはミーシャが男に言い寄られていると聞いても特に気にする素振りを見せずミーシャが嫌がる様を見て笑うだけだ
昨日今日で劇的に意識してもらえるなんて奇跡のようなことだと分かっているのだが
距離が縮まっていると感じるからこそ、まだそこまで意識されていないのだと自覚してしまいジワリと寂しさが滲む
特に顔に出したつもりのないミーシャだったがライはいつの間にか笑いを止めジッとミーシャを見下ろしていた
そしてミーシャが握っている手にギュッと力が込められる
ドキッと心臓が大きく高鳴ると鼓膜に響く美声が落とされた
「ンな心配すんな、変態だろーが俺が近くに居る時はちゃんと守ってやっから」
ー ズキュゥゥゥゥゥゥゥゥン
ミーシャはその時、自分の心臓がそう鳴いたのを確かに聞いた
「ずるい…」
「は?」
「ライは‼︎ズルイ!!!」
「ぁあ"!?」
「大好きッッッ!!!!!」
「ばっ‼︎ンなこと叫ぶな!!!!!!」
またしても落とされてから急上昇させられてしまった
【恋】を知らないと言いながらその敏腕はどこで培ってきたのかとミーシャは小一時間程問い詰めたくなった




