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その6 マスコットキャラ入手でみんなの人気者作戦

 協会で新たに購入した施設は順調にその役目を果たしている。

 ゴブ爺のトールハンマーを打っても施設が壊れることはなく、ユニークスキルである習熟の効果にも期待できそうだ。





 さて時は流れ桜香る季節4月になった。みんな大好き小学校! というイベントが定番だがこちらには小学校なるものはなく7歳から自宅学習だ。しかも機械を使って脳に焼き付けるといううとんでも学習法だ。これで10歳までに前世の大学卒業レベルの知識を手に入れるらしい。科学の進歩ってすげー。あ、これ科学じゃなかったわ。

 10歳をすぎれば家の家業を手伝ったり研究施設に就職したりバラムマスター育成学校に行けるようになったりまぁいろいろと選択の幅が広がるわけよ。

 で、子どもたちの交流として地域ボランティアがある。ま、行っても行かなくてもいいんだけどねー。で、俺もいっぺん行ってみた……んだけどなんかねーバラムギア持ってるからってちょっと絡まれてねボコボコにしたらちょっと遠巻きに見られるようになっちゃってしょんぼりさんですわ。仲間になりたそうにこちらを見ている子らもいたんだけどねぇちょっと距離感をどうとっていいかわからないみたいな感じだ。

 え? ボコボコにできるほど鍛えてるのかって? そりゃバラムマスターに必須の生命点スタミナを伸ばすには体鍛えるのが一番だからね。夕方から川沿いの道をジョギングしてるよ。あと素養を伸ばすために瞑想も1時間位やってる。


 それと魔物討伐を週一で父親と一緒に出かけている。借金返さないといけないからね。でも父親が連れて行ってくれる敵の強さはイシュが無双できるレベルで正直物足りない。っていうかバラムマスターの経験積めてるのかっていう疑問がですねぇ。

 まぁ所持戦闘神人もイシュとゴブ爺の2体だけなんで万が一を考えるとこれでいいのかもしれないけどね。ただ、ゴブ爺の存在感が……いやゴブ爺一人だけでもそこそこ戦えるのよ? でも殲滅スピードが通常攻撃が装備品で全体攻撃になったイシュさんにはかなわないわけで……神石の欠片の収集スピードは上がったかな。

 あとお仕事だからと父親から魔物退治に給料が出るようになった。一日1000シグマだけどね。

 主に柚陽子とイシュのスイーツ台に消えていきますがね!


 そんなこんなで7歳の誕生日がやってきました。ちなみに6月生まれっす。明日からマッシーンで自宅学習かとちょっと気持ちが落ち込んだり。


 誕生バーティーはなかなかに豪華だった。んでそれも終わってみんなでまったりタイム。イシュは俺を相変わらず膝の上に置き柚陽子はそんな俺の膝をクッション使ってまで枕にして寝っ転がってやがる。ゴブ爺は相変わらず訓練場でストイックにトールハンマー射ってます。


「ね~父さん。借金後どのくらい残ってるの?」

「まだまだ半分以上残ってるぞ~」

「狩場のランク上げようよ。そうすれば欠片の収集速度も上がるし」

「駄目だ駄目だ。そういうのはメンバーをフルに揃えてから言いなさい」


 メンバーをフルに揃えろというのは戦闘スロット5枠を埋めろってことだよな。今の所召喚に使う神石は借金返済に当ててるし。というかイシュが強すぎてメンバーを補強する意味が薄いんだよな、今の狩場だと。


「というわけで、ほら神石だ。これでメンバーを増やしなさい」


 え、いいの?誕生日プレゼントはもうもらってあるよ? これを借金に返済は……だめですよねぇ。


 というわけで気を取り直して


 ヒャはー回すぜ回すぜガチャを回すぜ。召喚陣セット!

 光が激しく明滅し出てきたのは……”愛人の証”!

 ……どうすんだよこれ。みんな見ている前で羞恥プレイじゃねーか。柚陽子なんて腹抱えて笑い転げているし。イシュは……よくわかってないみたいだな。

 ”愛人の証”、それは使った神人と18禁的なあれやそれやができるようになるというお子様には見せられないアイテムである。


「あなた、トレードお願いね」


「う、うむ。それにしてもどうして修一の召喚はこういう系統のばかり出るかなぁ……」


 ああ、母親の目の前で出たのが運の尽きイシュに使う前に持ってかれてしまいましたとさ。うん残念には思うよ。けど今の関係も気に入ってるから取り立ててそこまで進んだ関係にならなくても……って思春期になったあたりでむちゃくちゃ後悔するんだろうな。ガックシ。


 トレード先の内容についてあれこれみんなで意見を出していると突然母親が「私ペットがほしい」と言い出した。どうやら最近雑誌の特集でペットにしたい神人特集というのをこの前読んでそれに火がついたらしい。


「これこれ、この子! ねーかわいいでしょー」


 雑誌を広げてその特集のページを指差す母。指差した先にはボールみたいな形に犬の垂れ耳が付いた……なんだこれ? 例えるならガン◯ムのハ◯にド◯クエのスラ◯ムの眼と口をくっつけた……

 名前はぽよんぽよんスライム(SR)ってそのまんまかよ。しかもSRって何気にレアリティたけーな!


 ん? こいつボランティア会場に連れて行けば俺人気者じゃね? 見れば愛嬌があってかわいいし犬の風貌も取り入れているから受けもいいだろう。神人スライムで友人ゲット作戦だ!


 そんなわけで俺は母の尻馬に乗っかって父を説得し”愛人の証”を”ぽよんぽよんスライム”にトレードすることを約束させるのだった。


ーーーーーーーー


 そしてトレード完了。ぽよんぽよんスライムは人気でちょっと時間がかかったかなという感じ。


 ということでもらった神人を戦闘スロットにセット、特殊召喚! いやぁ柚陽子の召喚コストを0にしてくれるスキルは相変わらずいい働きをしますなぁ。


 目の前にはポヨポヨと鳴きながらゴムマリのように弾むスライム……スライム!?……どっちかって言うと○ロっぽいんだが……


 ちなみにポヨンポヨンスライムのステータスはこうだ。


種族/ぽよんぽよんスライム(SR)

種別/その他

攻撃タイプ/物理

Lv 1/60

HP 1600

ATK 450

DEF 900

スキル

1.かばう(3):味方一人をかばいうけるダメージを肩代わりする

2.雷光石火(17):目にも留まらぬ速さで移動し敵単体をひき逃げ。ATK+DEFの合算ダメージ


 種別その他ってなんだよスライムじゃないのかよとはさておきDEFの値が高い防御型となっている。かばうが1ターンに一階使えるのがNのゴブ爺がいる身としては嬉しいし攻撃スキルもなかなかいいのを持っている。なかなか戦闘でも使えそうだなぁとか考えていると


「ぽよ~」


 そう鳴きながら犬耳をブンブンと振り回しおれの両腕にイン。おうおう、幸せそうな顔しとるじゃないか。


「はじめまして~ぽよちゃん~あなたのなまえはなんにしましょうかね~」


 とかなりごきげんな母親。と言うか母親よ。もう名前”ぽよ”で決めてるじゃないか!


ーーーーーーーー


 あれから一週間経った。

 一応ペット扱いなので端末からの出入りは自由にさせている。だがいくら外に出れるからといって出づっぱりということはなく柚陽子達と同じように寝るときなどは端末の中に戻っているようだ。

 ついでにランニングと瞑想を朝に切り替えてみた。あとランニングに父親がついてくるようになった。ちょっとお腹が出てきた父親に「いつまでもかっこいいあなたでいてくださいね」と母親が囁いたのだ。父親、ちょろい。

 ぽよもいっしょにランニングについて来てくれている。母が「連れて行かないで~」とか言っていたが神人にも意思はあるのである程度ぽよの好きなようにさせたほうがいいだろう。

 あと食事だが人間と同じものが食べられる。柚陽子がいつもお菓子バリバリ食べてる地点ででなにを言っているんだと言われそうだが一応神人用のペットフードなるものが販売されていたのでそれを与えている。……なんだか人間の深い闇を垣間見たよ。


 で、ボランティア会場にも連れて行ってみた。もちろんながら大人気。俺に群がってくる女の子たち。キャーカワイイーワタシニモサワラシテー。ようやく俺にもモテ期がやってきた! って違いますよね。すべてぽよの魅力のおかげですよね。


 その日から俺は一躍時の人。今まで話しかけてこなかった奴らがグイグイと俺に話しかけてきた。所持している神人を見せて欲しいというので仮想画面から見せてあげたらイシュを見たやつらからエロ魔神の称号を押されてしまった。なんでだよたしかに最初は痴女だったけど見たときは服着てただろ!


 そんなこんなで、俺はボランティア会場にいちおうは溶け込むことができたのであった。


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