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その5 施設をアップグレードしようとしたらイチャイチャを見せられた

 で、端末内の神人用の施設を見て回っている。俺が見れるのは立体映像だけどね。

 6畳の小部屋が10個に20畳の大部屋が一つ。その他の施設は共同トイレと訓練場のみ。訓練場は昨日ボロボロにぶっ壊れたはずだが一日立ったら修復されてた。でもゴブ爺の訓練に毎回ぶっ壊すわけにもいかんしなぁ。

 そして、イシュの部屋を見て俺は泣いた。フローリングにベッド一つのみってどういうことよ? さっき運び込んだクローゼットもあるけどそれはおいておくとしてものがなさすぎだろ。


「まぁ最初はこんなものよね、人によってはずっとこのままのバラムマスターもいるらしいし」


 柚陽子はそう言うがこれはあまりにも悲しすぎる。早急に施設のアップグレードを試みらねば!


 施設の内容を充実させるには協会にいって現金アップグレードか施設召喚で施設や内装を手に入れるしかない。普通の品物はギアに収納できないからね。まぁここは協会に行ってアップグレードが順当なところかな。





 というわけで次の日に家族揃って神人協会へやってきました。この街の協会は一階が冒険者ギルドみたいな仕事の受付2階からが神人用の品々を売っている総合デパートのようになっている。2階武器防具、3階施設用の小物、4階相談、取引所といった具合だ。


 とりあえず4階の相談所へ行っていろいろ相談に乗ってもらった。担当者は桜坂(さくらざか)桜奈おうなさん。俺のバラムギアの相談に来たと知ったら驚いていた。まぁ、まだ6歳ですし。

 とりあえず訓練所のアップグレードについて相談してみる。


「はぁ!? DEF無視6000ダメージ固定の攻撃に耐えられる施設!? そんな需要は高レベルURを手に入れてからするものよ?」


 桜坂さんによるとATK1万超えくらいから問題になってくる案件らしい。やはり破格すぎたかあのスキル。チャージに一時間かかるけど。

 試算してもらったがスキル発動の余波に耐えるために訓練場自体のアップグレードに500万シグマ、的用のダミー人形用に1000万シグマかかるらしい。ちなみにシグマっていうのは神価って書いてこの世界のお金の単位だ。

 合わせて1500万シグマ。これは辛い。魔物を倒して神石生成で集めるにしても神石一個1万シグマで1500個も必要ってことになってしまう。週1で出かけても1500週。これはお辛い。


「だからお前の担当する客は売れねーんだよ」


 バシンと大きな音がして桜坂さんの頭が分厚いファイルで叩かれる。


「いたーい。あー馬場さんはまた私の客を横取るつもりだ!」

「横取るとは失敬な。俺はお客様にあった最適なプランを提示するに過ぎん」


 なんか目の前の俺たちをそっちのけでキャイキャイ言い始めた。うん、ここは子供らしく諌めるべきだろう。子供らしく……ね。


「お二人は付き合ってるんですか?」


 ブーーーと吹き出す音が2つほど上がった。いやぁ子供の体って便利、無邪気にこういったことが聞けるからねぇ、と心の中で悪い笑みを浮かべておく。


「お客様、我々は交際関係ではありません。あれはこのバカの尻拭いというやつでして」

「あ、ちがうんだ……ってバカとはなによバカとは!」


 おーっと聞こえづらかったが桜坂さんは脈アリと見たーってまぁいじるのは程々にしてここに来た目的を果たしましょうか。


「お客様の要望は弓系のスキルの攻撃力が強すぎて施設が崩壊してしまう。そのための施設のアップグレードにいくらかかるかの試算、見積もりでしたね」


 桜坂さんに変わり馬場さんが俺たちの前に座る。


「それでしたら訓練場はアップグレードせずにこちらの”無限弓射の間”を併設したほうがお値段的にもお得となっております。こちらおおよそ70~80万シグマとなります」


 ”無限弓射の間”とは飛び道具専用の練習施設で打ったものが自然に消えるまで飛んでゆくのだそうだ。とりあえず数をこなしたい俺とゴブ爺にとっては最適と言えるかもしれない。


「どうだ? お父さんはいいと思うが」

「うん、僕もいいと思う。ただお金がね……」

「なにここは父さんが支払ってやるから修一は俺にあとから返してくれればいい」


 おお、父親太っ腹。あーでも6歳にして70万近くの借金もちか。バラムマスターってお金がかかるのね。


 父親が代金を支払いその後端末を係の人に渡して俺の端末に無限弓射の間が設置されたのだった。


 そして今は3階、母親とイシュと柚陽子がキャイキャイ言いながら買い物をしている。


「女はね、身だしなみが大事なの。部屋にベッドとクローゼットしかない?そんなの許せないわ」


 そういった母親に連れられて3人は楽しそうだ。

 俺と父親は荷物持ち。まぁ6歳児にどれだけも物をもたせられるんだっていう話なので父親がメインだが。

 しかもここで買ったものは母親からのプレゼントらしい。やったね。そういやゴブ爺はなにか欲しいものがあるのだろうか? と端末を開いてチャットで聞いてみる。するとわらのベッドがほしいのだそうだ。あーこれは父親におねだりかな?


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