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その16 新たな仲間

 警戒しながら隣の部屋を調べたら怪しい機材がうんとこさ出てきた。

 そして神人カードがおよそ400枚。残りはおそらく実験とやらに使われたのだろう。俺にできることはないが一応手だけは合わせておく。

 で、その後が大変だった。ボルトハンマーで壁ぶち抜いたからやってきた神人協会の偉い人に経緯を説明してお小言をもらったり育成学校のお姉さんたちにわんわん泣いて抱きしめられたりまたあいつかみたいな嫉妬の目で見られたり。

 ようやく落ち着いて帰りのバスまで1時間といった頃合いである。俺は外からボルトハンマーをぶっ放したあとを見ていた。


「しかし合宿に来て死にかけるとは思わなかったなぁ」

「もうほんとだよ。イシュがいなかったら確実に死んでいたんだからね!」


ぷりぷり怒る柚陽子の頭をなでながら


「あのーイシュさん。そろそろ離してくれると助かるんですが」

「だめ! 修くん、今回は本当にギリギリだったんだよ。死んでてもおかしくなかったんだよ? 本当にわかってる?」

 とまぁ女性陣のお小言を受けながらだが。


 まぁ今回はほんとにやばかった。生きてるって素晴らしい~と空を見やると木の枝に神人カードが引っかかってるのを見つけた。おそらくボルトハンマーで空いた穴から飛んできたのだろう。俺はイシュに抱き上げてもらってそのカードを手にとった。

 そこには天狗のお面を半頭にかぶり何故か中学生くらいのセーラー服姿の少女の絵が描かれてあった。

「え~っとなになに種族小紅天狗、レアリティはR☆☆☆か」

「どうするのこの子?」

「そりゃぁ返しに行くだろ普通」

「ふーん。手篭めにしちゃうのかと思った」

「ぱくんねーよ。まぁ絵柄はかわいいけどな」

 そんなこんなでわいのわいの言いながら今回の事件の緊急本部にやってきたのだが……


「はい、見つかったんです。え、高レアならともかくSRなんて今更困る?」

「そうです見つかったんです。え?Rはもういらない」

「たしかURでしたね。はいそうですそのとうりです。はい、ではそのように」


 さながらそこは戦場だった。


「あ、鉄くん。今回は大活躍だったそうだね。でもだめだよ~子供が一人であんな危険なことしちゃ。あ、うんUR以上のレアリティは引き取ってくれるんだけどSRやR程度だともういいやと別の手段を手にしてる人が多くてねぇ。なにせ50年も前の話だからね。持ち主の人が死んでたりして確認作業が大変なんだよ。本来なら君にこのカードの中から好きなカードを選ばせてあげるところなんだけどそれはそれで協会が後で吊し上げを食らいそうだしね。え、なにカードを拾った。小紅天狗でR☆☆☆っと。あ、あった破棄してくださいだって。鉄くん。このカードが君の手の中にあるのもなにかの縁だと思うんだ。良ければこの子を引き取ってもらえないだろうか? いや無理にとは言わないよ。神人は人に寄り添わないと生きていけないからねぇ。あ、これ結構トップシークレットだから内緒ね。え、引き取ってくれる。あーよかった。じゃ今回の事件の報酬はそのカードってことで。え? 詐欺だ? 汚い大人だ? じゃぁやめる? あ~可愛そうだな~このまま引き取りてもこずこの子はずっとカードのまま摩耗してゆくんだろうな~ え、やっぱりこれでいい。いや~ありがとう。実は報酬でもめてたんだよね~」


 俺が立ち去ったのにも気づかずペラペラ喋り続けるおっさんをおいて俺はカードを拾った木陰へと戻ってきた。


「ひどい詐欺にあった」

「あはは」

「ほんとひどいね」


 そして俺は端末を起動させる。今まで確認できなかったが一度死にかけたことで予感はあった。


「うっしゃ素養が108にup!」

「すごいじゃない修一」

「……修くん、もう危ないことしないってお姉ちゃんと約束できる?」


 死にかけたことと番人いわくドーピングの効果か素養が上がっていた

どうやらイシュは突然の上昇に見当がついたようだ。


「それはできないかな。みんながピンチのときにはなりふり構わず動くかもしれないし」

「もう、私達神人はね普通の人間よりずーっとずーっと頑丈で強いんだよ。でもね、マスターであるあなたが死んじゃうと私達も還っちゃうの。わかる? だからねマスター、これからは自分の命を第一に考えるようにしてくださいね」


 イシュは俺を背中から抱きかかえているので幸いにも顔を見ることができない。きっと見てしまったらその慈母の微笑みで惚れてしまうだろうから。


 ゲフンゲフンとわざとらしく咳をして場を切り替える。


「あーそれじゃぁ小紅天狗のなにがしちゃんを端末に迎え入れようかな」

「あれ? お披露目は恒例の人志たちのいる夕食後じゃないの」

「うん、それなんだけどカード形態だといつ劣化が始まるかわからないからね。なるべく早くに端末に入れておきたいんだ」


 そう言って俺は端末をぱぱっと操作して小紅天狗のデータを読み込む。


「うわ予想はしてたが劣化がひどいな」

 スキルは天狗の風扇という攻撃スキルがあるがもう一つはバグって表示されてる

 ユニークスキルも2つ持ってるようだがこちらもバグって表示されている


「おーい、小紅天狗ちゃーん。聞こえてる~」

「ここは……」

「新しいマスターのコアの中だよ」

「新しいマスター?」

「そう、鉄修一っていうんだ。よろしくね。君の名前はなんていうのかな?」

「わたし……私の名前」


 それからぐるりと回りを見渡し


「私は誰なんでしょう」

 そうポツリと呟いた


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