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その14 どうやらこの場所には幽霊が出るらしい

 昼からの邪人ダミーとの実習で開幕トールハンマーブッパしたら指導員の人にもう一度とやり直しを求められたでござる。

 今回のダミーは


HP 10000

ATK 5000

DEF 5000


 と、情報が公開されている。ゆえにゴブ爺のトールハンマーならワンパン一撃なので柚陽子の”Are you ready”で即座に打てるようにして開幕でぶっ放したのだ。

 指導員はそんなスキルもってるとは想定外だったらしく邪人との戦いを経験してもらうのが目的だからともう一度トールハンマーに抜きで再チャレンジということになった。

 仕方がないので”Are you ready”も封印して戦ってみよう。


 ダミーのこのステータスならポヨは傷つけられないし、イシュで2割ほどのダメージを食らう。ゴブ爺は回避の鬼の紙装甲なため当たれば沈むがガッツとぽよのかばうが1ターン事に使用可能なので全滅の心配はほとんどしていない。

 うーん、なんというかイシュの破砕光によるDEFダウンとゴブ爺の回避によるATK上昇の連携がすごい噛み合ってる。ゴブ爺の攻撃が徐々に通るようになってきた。

 ダミーの動きは魔物と比べて特別に早いなどと言ったこともなく二回攻撃や全体攻撃などのスキルを使うこともなかったためこちらのワンサイドゲームになった。

 ゴブ爺の回避でダミーを撹乱しくらいそうな攻撃はぽよのかばうでガードする。

 イシュがDEFをダウンさせゴブ爺がATKの上昇した通常攻撃でゴリゴリと削り、そうやって電光石火、裁きの光、で致命傷を与える。

 そんな感じで危なげなく勝利することができた


 だが油断してはならない。これは邪人の最低ラインの強さなのだ。いわばLv1である。戦力が拡充するまではコイツラがレベルアップしたのとはなるべく戦いたくないなと思うのであった。


 他の参加者の神人構成を見てみると5人フルでセットしてあり、UR持ちは3人だけだった。それでもSR持ち10人位はダミーにダメージを与えられていたので統夜さんの言っていたオブリガシオン系の端末で高レベルなのがだろう。

 だがそれでもダミーを倒せたのは俺を含めたUR持ちの4人だけだった。相手の攻撃を受けきれないのと、やはりスキルの効率の差というものがあるのだろう。


 それにしての他の神人を今回いろいろと見れたわけだが、妖精やエルフ、ドワーフなどの定番から妖怪系魔物系とホントたくさん種類があるようだ。俺が次に手に入れる神人はどんなやつになるのかなぁ



――――――――



 実習が終われば今日の過程は終了だ。残りは交流時間にあてられている。明日も特にすることはなく帰るだけなのでぽよを通じて仲良くなった育成学校のおねぇさんたちとわきゃわきゃしてる。柚陽子、イシュ、ぽよにメアリーも呼び出して女の中に男が一人、さながらハーレムである。なんてね。まだ子供だしそういう目で見られてないっていうのはわかってるようちくせう。


「ねえねえ知ってる。この施設幽霊が出るんだって」

「え~なにそれ面白そう」

「ねえ、こわいよ。そういう話はやめようよ」


 おっとこういった場所では定番の怪談話だ。


「時間は夜中の12時3階のとある資料室の壁の中から毎夜毎夜神人たちの助けて……助けて……という声が」

「きゃー」

「(ガクガクブルブル)」


 女の子はこういったことで盛り上がるよな。そんな中柚陽子が難しい顔をして考え込んでいた。


「どうしたんだ? 柚陽子?」

「あ、うん。ちょっと昔の話になるんだけどね……」


 そう前置きをして事の内容を話し始めた。


 通常の神人の受け渡しは端末同士の通信が基本であるが遠方でのトレードが成立するとそうもいかない。今日ではネットを通じてトレードができるようになったが昔は神人をカード化して一旦端末の外に保存できる状態にしたのだそうだ。そして神人協会を通じて互いに郵送される。

 事件があったのは50年前そのトレード用のカードが協会からごっそりと盗まれたのだそうだ。その数なんと1000枚を超える。当時の協会はてんやわんやで保証などに忙しく、もちろん犯人探しもしたが未だ犯人は見つかっておらず1000枚を超えるカードも行方知れずなのだそうだ。

 そしてカード化された神人はずっとカード化状態のままでいられるわけではなく持って30年。それ以上すぎるとカードから存在が消え失せてしまうのだそうだ。


「そ、それじゃぁ……」

「夜中に聞こえる声って……」

「そう……消えかかってるか神人たちが必死に助けを求めてるってわけ。なーんてね」


「「「き……」」」

「き?」


 俺は嫌な予感がしてとっさに耳をふさいだ


「「「きゃーーーっ」」」

「柚ちゃんうそ、うそだよね」

「夜な夜な徘徊するカード化された神人もし見つかったら」

「首おいてけー」

「って、妖怪首おいてけかい」

 パッチーンと小気味よい音がたてられ頭を叩かれたお姉さんは涙目だ。

 まったく女3人よればかしましいとはこのことだな、あはは。



――――――――



「主様、あるじさま起きてください」

 う、う~んなんだぁ。もう就寝時間で明日は帰るだけだぞ……

「主様! あるじさま!」

 空耳かと思いしばらくほおって置くと耳の穴に思いっきり息を吹きかけられた。

「あひゃひゃひゃふひゅう。誰だこんな悪戯をするやつは!」

 思わず飛び起きて犯人を探すとそこには端末から出てきたメアリーがいた。

「あるじさま、たいへん申し上げにくいのですが……一緒にお花摘みに行ってください! 後生です! もう限界なんです!」

「それなら俺より適任がいるだろう」

「もう行きました。でもふたりとも起きなかったんです!」

 ん? 二人? いやまぁそれはおいておこう。

 こいつの部屋にトイレは付いてるはずなんだがなぁどうして端末の外に出てきたのやら。そういや一人でトイレに行けないとは聞いてたけど自分の部屋のトイレにもいけないとは……


 仕方なく俺はメアリーを伴ってライトのスキルを使わせながら施設のトイレを目指す。端末内のトイレにはついていけないからねぇ。

 女子トイレに誰もいないことを確認しメアリーを放り込んで扉の外で待つ。

 ……真っ暗じゃん。俺も懐中電灯か何か持ってくるべきだったかなぁ……

 するとドタンバタンという音とともにメアリーが扉の外に飛び出してきた。


「おいおい、どうしたんだよ」

「こ、声が! 助けてっていう声が!」


 メアリーに抱きつかれながら俺は自分の下半身が濡れていく感触に顔をしかめるのだった。

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