その10 施設改造とメイドの雇用
「施設を改造しよう」
「どしたの急に?」
ふはははは、借金がなくなりあぶく銭を手に入れてから自由に(自由じゃない)使えるようになるまで約一年とうとうこの時が来たのだ! 10億の資産を舐めるなよ?
というわけで両親と神人協会へGOだ。
まず柚陽子とイシュの部屋を風呂、トイレ、キッチン付きにした。
「修くん、キッチンが付いてもお姉ちゃん料理できないんだけど……」
ええいだまらっしゃい1LDKは前世で俺の済んでたアパートとおんなじなんだよ。これ以下というのは精神的によろしくない。
ゴブ爺は訓練場に通い詰めらしく寝るときしか部屋に戻ってこないらしい。男女格差だがわらのベッド一つで満足そうだ。
ぽよは10畳ほどの中部屋をサバンナに改装して施設に追加した。
これにはゴブ爺のユニークスキル意思疎通が非常に役立ってくれた。俺とぽよの間に入り通訳をしてくれたのだ。なにげに有用なユニークスキルだった
訓練所はランクを2つほど上げ食堂(オート調理)も追加した。やる気は食からと言うしね。今までは端末の外に出て食べたり食べなかったりだったんだけどこれでちゃんと食事を取れる環境が整ったわけだ。あと最後に、露天風呂の温泉を設置した。こういう贅沢があってもいいよね。俺が入れるわけじゃないけど。
……あかんこれだけの改装でも5000万も使わん食堂は契約式で食事を出すためには毎月お金が出ていくけどそれも1万円行かないし。
お金の使いみちが浮かばずカタログをペラペラとめくっていると俺はとある項目を見つけた。
「派遣メイドっか……ってかメイドさん雇えるの!?」
「ええ、雇えますよ。最も施設じゃなく顕現化させて自宅の掃除をさせてる不届き者もいるようですが」
と、おなじみの桜坂さんはいう。
ほう……そうか……メイドが雇えるのか……ってカタログ見たらロボロボしいメイドが! ロボじゃねぇーか! と思ったらカタログをめくっていくといわゆるヒューマノイド顔のメイドが桁が違う値段で載っていた。
「こちらに載っているのはレアリティCの神人ですが戦闘に出すことはできません。弱いですからすぐやられちゃいます。その分ハウスキーパーとしてのスキルは十分備わっているので1端末に1神人! おすすめですよ? 今なら執事タイプも!」
「あ、男はいいんで」
桜坂さんオークションのこと知ってるからグイグイ来るなぁ、とカタログを見ているとある項目で目が止まった。
「見習いヴァンパイア?」
「あー、その子はちょっと訳ありなんですよ」
ほうほう、訳ありとな。価格もヒューマノイド型よりも一つ桁が高い。一体どんな訳があるのだろうか? 少女のような出で立ちに金髪ロングヘア、オッドアイ、メイド服、コウモリ羽、……見た目は合格かな?
「その……メイドとしてはホント有能なんですけど……」
そう言って桜坂さんは俺の耳に顔を寄せる。
「……夜中に一人でトイレに行けないそうなんです」
「買った!」
何その萌ポイント。あまりの即決ぶりに桜坂さんも驚いていたが急に顔をニヤニヤしだし、
「わかりました。すぐ手続きを開始しますね」
というと操作端末を操作し始めた。
「いやーこの子可愛いですもんねーもしかして恋、落ちちゃったかな? ん? ん?」
うぜえ。お前ははよ馬場さんとの仲を進展させろや。と心の中で毒づいておく。
「っと、転送完了しました。確認してください」
急に真面目モードか。それじゃぁ特殊召喚で顔合わせと行きますか。
「ゆずひこー特殊召喚で呼び出してー」
「わかった。あれこの子名前が付いてるね。メアリーだってさ」
そして数秒後に顕現する見習いヴァンパイアでメイドのメアリー。
実物を見ればカタログに乗っていた写真とは段違いだということがわかる。
その容姿はまさに人を魅了するために生まれてきたと言っても過言ではないだろう。
どこかあどけなさの残る顔立ちながら同時に妖艶さも醸し出している。
「ふむ、そなたが新たなる主か。我が名はメアリー! 三千年の時を生き一時は世界の半分を手中に収めた者よ。この我をかしずかせることを光栄に思うがいい」
どこからともなく取り出したマントをバサーっと翻らせメアリーはそう口上を述べた。
……吸血鬼中二病とかどんだけ属性盛り込んでんだよ! でもまあいいか。
「それじゃァよろしくマドモアゼル」
といって手を取りその後に軽い口づけをしてやった。するとプシューという音が鳴り響き顔を真っ赤にしたメアリーがフラフラしながら
「きょ、今日はこのへんで勘弁してやる。これで勝ったと思うなよー」
と言いながら俺の端末の中へ戻っていった。うん、メアリーの部屋一つ追加でお願いします!




