50.エロエルフとダークエルフのガチンコ対決!その2
「エントリーナンバー2は冒険者のティアさんです。ティアさん、どーぞ!」
司会に呼ばれてステージに飛び出した俺を観客は拍手で出迎えた。しかし審査員を兼任する胸部愛好会(実態はリュドミラのファンクラブ)の男たちやリュドミラは、ぽかんと口を開いていた。
ステージの中央まで足取り軽く歩いて行く間に、シャツの下で俺のマシュマロがぽいんぽいんと揺れる。
リュドミラは握りしめた拳をワナワナと震わせた。
「な、なんですの、その恰好! 貴女、やる気あるんですの!?」
頭に血を昇らせて俺に指を突きつけてくる。
そう、俺の服装はリュドミラに比べるとかなーり地味だった。無地の白いシャツに、紺色のプリーツスカート。ひざ下丈の白い靴下に、茶色のローファー風の革靴っていでたちだ。肩からは紐が幅広のショルダーバッグをかけている。
スカートこそミニで太ももが覗いているが、そもそもこれは〇っぱいを競う戦いなのだ。それなのにシャツのボタンはしっかりと留められ、かろうじて開いた首元から鎖骨がチラ見えしているだけだ。
「ここまでしたわたくしをバカにして……いえ、最初からわざと負けるつもりで……!?」
いきり立つリュドミラの前に司会の男がスッと腕を出した。彼も俺が現れた当初はあ然としていたはずだが、今は違う。俯き加減の両眼がキラリと光る。
「いえ、リュドミラ様……お待ちください。この者の真意は他にあるようです。私には分かる」
怪訝そうな顔をしていた愛好会の他のメンバーや、観客の視線が彼へと突き刺さる。
男は司会なんかしているし、愛好会のリーダーなのだろう。登場したはなっから偉そうな態度で気に食わなかったが、さすがに一味違うようだ。
こんなアホな会を率先してしているくらいだしな。
おっ〇いにかける情熱は並大抵のものではないと見た。
鋭い眼光が俺を見据える。上から下まで値踏みするように観察される。その瞳は真剣そのものだった。
「見てください、あのショルダーバッグの紐を! 胸と胸の間に配置することで、ただでさえも豊満な胸がさらに強調されている! ボタンとボタンの間もはち切れんばかりだ!」
男は仁王立ちでビシリと俺を指さした。観客がおおーっとどよめきを上げる。しかし俺はまだまだ余裕たっぷりでその場にふんぞり返っていた。
お前のおっぱ〇への愛はそんなものなのか?
違うだろう?
俺と視線を合わせた男が、ハッと顔色を変える。
「そうか、色……シャツの色にも意味があるんだな! 清純そうな白に見せかけて、ブラジャーが透けている! しかもその色は……くっ、黒だとッ!?」
ダメージを受けたように男が一歩、よろける。俺は近寄ってその掌を両手で包み込むと、彼を上目遣いで見上げた。
「正解ですっ、先輩っ!」
「ティ、ティアちゃん……」
どーだ、見たか! これぞJK風パイスラッシュだ!
俺の太ももギリギリでプリーツのスカートがピラッと揺れる。その途端に前列で今にも死にそうにヨボヨボしていたじーさんがくわっと目を見開いた。
観客たちはワーワーと盛大な歓声を上げている。中には興奮のあまり立ち上がって拳を突き上げている奴もいる。
「ティアちゃんいいぞー!」
「さいこー!」
俺はいい気になって正面に向き直り、満面の笑顔の横で親指、人差し指、小指を立てる、いわゆるキラッ☆のポーズを取った。ポニーテールにくくった金髪と、シャツ越しに2つのメロンがぽよよんっと揺れる。
やることがイチイチ古い?
おじさんは時代の変化に疎いのだよ。
「ティアさん、俺が……俺が間違っていました! 乳とはただ、エロスを見せつければいいと言うわけではないんですね!」
「うんうん、分かってくれればいーよ」
「ちょっとアーマンド、何を言ってるんですの!? こんなの私は認めませんことよッ!」
分かり合う俺と男の後ろでリュドミラが憤慨のあまり頬を上気させて喚き立てている。って言うかこいつ、アーマンドって言うんだ。初めて知った。
リュドミラは荒れ狂って俺たちに詰め寄った。
「今すぐ判定を要求するわ! 決着をつけましょう!」
もちろん望むところだぜ。俺だってはなっから負ける気なんかない。
ところで間近で見るリュドミラさんのきわっきわのドレスは感動ものでした! あざーっす!!




