05.エロエルフ、爆走す!
「ハァッ……ハァ……」
ハァハァと息が荒い。
走る動きにあわせてバインバインと胸が揺れるので、正直、痛い。仕方なく○っぱいを両腕で押さえながら走っている。
あんまりにも一心不乱に走って来たので、だんだん身体が重くなって疲れてきた。
このくらい離れれば大丈夫だろうか?
少し速度を落として、ビクビクと背後や頭上を伺う。
森には昆虫系のモンスターも多い。スライムよりレベルの高いモンスターに襲われたら、一人では逃げられないかも知れない。
死んでもゲームだったらセーブポイントまで戻されるだけだ。特に大したペナルティもない。せいぜい所持金が減るくらいだ。
だけど、この世界ではどうなんだ?
ゾクリと背筋を震わす。
幸い、付近には他にモンスターはいないようだった。
俺は恐る恐る、自分の身体を見下ろした。
急に走り出したせいで息切れして、ハッハッと浅い息が口から漏れている。
体温も上昇し、ほんのり汗もかいている。
でも、それっておかしくないか?
ここはバーチャルリアリティの世界だろ。
どんなに精巧な姿に見えていたとしても、この身体はアバターのはずだ。
身体が重い? 息切れする? 汗をかく?
嫌な予感しかしない。
一つの確信を持って、俺はあまり気乗りしないながら自分の手首に数本の指を触れさせた。
ドクドクと皮膚の下で脈打つ血流を感じる。
あぁ、間違いない。
俺のこの身体、普通に生きている。
俺はゲームの世界に入っちゃったんだ。
途方に暮れて、眉尻を下げて情けなく周囲を伺う。
メニューウィンドウも出ず、コマンドも使えない以上、ログアウトもできない。
俺はこの世界から帰れなくなってしまったのか?
嫌だ。こんな世界で死にたくない。
女の身体のままで。
何がなんでも人里まで辿り着きたい!
俺の勘が正しければ、ここはオルセア王国の一都市、始まりの街リビエールの近くのコミュの原生林のはずだ。
少し座標がずれただけで、街の近くではあるはずなんだ。
東に進んで森を抜けさえすれば、すぐに街壁が見えると思う。
でも、東ってどっちだ?
キョロキョロと近くを見回すが、そんなの俺に分かるはずがない。
「えーっと、多分、こっち!」
木々が少なくて少し明るくなっている方を指さす。
大丈夫、大丈夫と自分に言い聞かせながらなんとか足を踏み出す。
しばらくするとスライムの粘液は乾いて、パリパリと剥がせるようになった。
だけど若干、なんか乾いた糊みたいな匂いがして臭い。できれば今後、攻撃は食らわない方がいいな。
やけっぱちで決めた進行方向は当たっていたらしく、少し歩くと森の木々がまばらになってきた。
神様はまだ俺を見捨てていなかったようだ。
居ても立っても居られず、急ぎ足で森の外に飛び出る。
森の端からは緩やかな上り坂になっていて、さほど高低差のない小高い丘陵の上に外壁に囲まれた街が見えた。
「た、助かった~……」
ヘナヘナとその場にしゃがみ込みたくなるが、まだ街に辿り着いたわけではないのだ。
道端だって安全とは言い難い。
俺はせっせとリビエールの街に向けて足を進めた。
()´д`()ゲッソリ




