表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

48/60

48.はい、こちらエロエルフ! 準備万端です!


 ステージ袖の個室には色とりどりの衣装が用意されていた。胸元が大きく開いたセクシーなドレス、踊り子さんみたいな衣装、チャイナドレスみたいに長いスリットが入った服、ボディコンにボンデージなどなど……。


「なにこれ」


 俺に説明するためか、ついてきていた取り巻きの男に一人に服を指さして聞く。


「どれでも自分の胸を引き立てると思うものを選ぶといいです! 身なりも採点の対象です!」


 ぐっと拳を握っていい笑顔で答えてくださる。

 あぁあぁ、お前らの浅はかな趣味はよーく分かったよ。だけどな、こちとら童貞をこじらせて32年。

 こんなあからさまにエロちっくな服で興奮するような、お粗末な〇っぱい道は歩んでおらんわ!!


「お前らは、おっ〇いのことを何も分かってなーい!!」


 いきなり俺に怒鳴り上げられて、男は目を白黒させた。そんな彼に俺は、いくつかの品物を調達してくるように告げる。


「で、ですがそんなものを何に……」

「いいから早く行く! 時間がもったいない!」


 有無を言わさずビシリと扉へ指を突きつけると、男は慌てて外に飛び出して行った。最初からそうやって素直に従っておればよろしいのだ。

 彼が戻って来るまで暇になってしまった。

 ひとまず脱ぐのに時間がかかりそうな革鎧なんかを先に外して、部屋にあった机の上に並べておく。


 それからはもう椅子に座ってぎっこんばったんと揺らすくらいしかやることがなかった。

 途中、リュドミラについていった奴の一人が様子を見にやって来たが、服が揃ってないんじゃどーしようもない。


「いつまでかかるのかとリュドミラ様が……」

「だぁーって、ここに俺のイメージする服がないんだから仕方ないじゃん」

「ですが……」

「俺だってなぁ、おっぱ〇にかける情熱はお前らの比じゃないんだよッ! それをなにか!? 俺にこんな稚拙な服装で人前に出ろってか!?」


 立ち上がって詰め寄る俺の迫力に気圧されて男がタジタジと後ずさる。


「じょ、情熱……? 稚拙……?」


 俺の言葉を理解できなかった様子ではあるが、どことなく不気味な気迫は感じ取ったらしい。なんとかリュドミラを説得しに戻ってくれた。

 そして待つこと20分ほど。

 よっぽど急いで品物をかき集めて来たんだろう、パシりに行かせた男が息せき切ってステージ袖の控室に戻って来た。


「ハァハァ……こんなものしかなかったんですが」


 机の上に放り出されたそれらをひとつひとつ持ち上げて吟味すると、俺は満足してうんうんと頷いた。


「なかなか見どころあるな、お前。ほぼイメージ通りだよ」

「え……これが?」


 困惑した様子で彼はずっと俺と机の上の品物を交互に眺めていた。そんな男に俺はジーッと視線を注ぐ。無言で見つめあうと、彼はポッと頬を赤くした。

 男が照れるところを見たって可愛くもなんともない。


「えっと、まだ何か御用でしょうか?」

「お前が出ていかんと着替えられないだろうがッ!」

「!」


 蹴りを入れるような仕草で男を部屋から追い出す。男はほうほうの体で、また扉から走り去って行った。

 まったく。俺が指摘しなかったらここで着替えを見るつもりだったんだろうか?

 天然にもほどがあるわ。


 俺のメロンちゃんは男に見せるようには作られてないんだからなッ。

 これは俺専用だ!


 とりあえずひとしきり自分のお胸を見下ろして堪能してから、もぞもぞと服を着替える。

 姿見に映った(ティア)は文句のつけようがないほど理想的な姿で、俺はにんまりと顔を笑わせた。


「よーし、待ってろよ野郎(童貞)ども!」


 俺がウキウキと控室から足を踏み出すのと、痺れを切らしたあちら方の男が俺を呼びに来るのはほぼ同時くらいだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ