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46.エロエルフ、困惑する!


 自信満々にババーンと胸を張る巨乳のダークエルフたん、リュドミラの前で俺は言葉を失って沈黙した。

 え……っと。こういう時って、どんな反応を返せばいいのかな?

 ここはツッコむところなのかな。それとも笑うところかな?


「勝負って……具体的には何するんすかね?」


 あ、思わず素で話しちゃったよ。一応、街では忘れてない時は女キャラのロールプレイングしてたんだけどな。

 でも、もうかなりボロ出しまくりだと思うから構わないか。

 俺の口調が急にがさつになったせいかリュドミラは眉間に皺を寄せたが、質問には答えてくれた。


「もちろん、バストを競うんですわ!」

「○っぱい……コンテスト……」

「そう言う言い方は、はしたないですわよ!」


 他にどう言えって言うんだ。

 俺のジト目を気にした様子もなく、リュドミラはふたつのデカメロンの真ん中に黒くしなやかな指先を置いた。


「競うって言っても、大きさだけではありませんの。形や張り、艶やかさ、そして印象的な魅せ方。それらを総合的に評価いたします」


 説明されても、なぜ初対面の女性と乳で争わないといけないのか意味が分からない。

 と言うか、おっ○いは優劣を競うものではない!

 おっぱ○に貴賎なし!

 なぜそれが分からないのだ!

 おじさんは悲しいぞ!


「ご遠慮させていただきます」


 俺はリュドミラにくるりと背を向け、タローの肩に手をかけてその場を立ち去ろうとした。

 そんな俺をリュドミラの取り巻きたちが声高に煽ってくる。


「さては怖気づいたんだな!」

「リュドミラ様に勝てる自信がないんだろう!」


 何を言われてもまったく堪えない。俺の○っぱいへの情熱を見くびんなよ。

 俺は振り返りもせずバハハーイと片手を上げて颯爽と退場……しようと思ったが、その耳にぽつりと呟きが届く。


「わたくしだって、本当はこんなこと……」


 それは小さな小さな声だった。こんな大勢がワイワイと騒いでる中で、本当だったら聞こえるはずもないほどの。

 キャハハッといたずらな笑い声が耳を掠める。


 ったく。風の精霊さんか。

 俺に何をさせたいのか分からないが、精霊さんが手助けをするほどだから、リュドミラは、ほんとは悪い子じゃないんだろう。


 やいのやいのと煽り立てている取り巻きの真ん中でぽつねんと、リュドミラは腕をかき抱いて所在なげに立っていた。

 豊満な身体つきや、扇情的な格好からは思いもよらないほど、その姿はただの頼りなげな女の子に見えた。

 フーッと大きく息を吐く。


「タローちゃん、宿に帰るのちょっと遅くなってもいいか?」


 聞くとタローは一も二もなくコクリと頷いた。フード越しに、いい子いい子と頭を撫でてやる。

 俺はリュドミラに向かってくるりと振り返ると、彼女にビシィと指を突きつけた。


「この勝負、俺が勝ったら何をしてくれるんだ?」

「あら……」


 いきなり俺が態度を変えたことに怪訝そうながらも、リュドミラは俯いていた顔を上げ、ツンと澄ました表情を取り戻した。片手でパサリと肩の髪を跳ね上げる。


「わたくしにできることでよければ、なんでもいたしますわ。どうせ貴女はわたくしには勝てないでしょうし」

「よーし、その言葉忘れるなよ! 後で、なんでもするとは言ってないとか、なしな!」

「なっ……」


 俺の冗談が分からなかった様子で、リュドミラが心外そうに口を尖らす。


「失敬な。わたくしに二言はございませんわ!」


 よーし、よーし。言質は取ったからな。もし俺が勝ったら何させちゃおっかなー。

 あんなことやこんなこともしてくれるのかなぁ?


「それならいいよ。この勝負、受けてやるよ!」


 胸を張って宣言する俺に、周囲がおーっとどよめく。別に俺のデカメロンがたゆゆんっと揺れたから……ではないと思う。多分。

 リュドミラは、わずかにほっとしたような表情を見せた。もう後には引けなくなっていたからだろう。


 あれ、これ、俺が負けたら何するかとかまだ聞いてなかったな。

 てゆうか、勝負の方法もまだ良く分からないままだが……ま、いっかぁ。

 なるようになるさ。



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