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45.エロエルフさん、ライバル登場ですよ!

 

 初めての街にタローは物珍しそうにフードの下からキョロキョロと周囲を眺めていた。

 きっと色々見たいんだろうけど、タローがオークだってバレたら街の人が阿鼻叫喚になるだろうから、腕を引っ張って近くに引き寄せた。

 グイと深くフードを被せ直す。


「見つかったら騒ぎになっちゃうからな。俺から離れたらダメだぞ」


 それはタローも分かっているみたいだ。俺にぴったりとくっついて離れない。

 早く宿に行かないと……と思っていたら、道の向こうから何やら騒がしい一団がやってきた。


 ほとんど若い男ばかりの集団だ。7~8人くらいはいるだろうか。

 そいつらは俺に目を止めて立ち止まった。なにやらヒソヒソと問答しているようだ。

 ナンパ……って感じじゃないな。


 俺がティアになって街行く人の視線にもまぁまぁ慣れてきたが、ほとんどの男はまず最初に食いつくように乳を眺めてくるのだ。

 こいつらも確かに視線は胸元に向かっているが、なんて言うかこう、値踏みしているような態度だ。


 あんまりいい気分じゃないな。

 俺はそっとタローを背後へと隠した。

 そうこうしていると男たちが左右に分かれて、真ん中から一人の女性が進み出てくる。


 なん……だと……。

 俺は絶句して彼女を眺めた。その女性はダークエルフだった。


 頭のてっぺんから足の先まで漆黒の、一点の曇りもない美しい黒い肌。

 星の光を集めたかのような銀の髪が風になびく。その髪の間からは黒く長い耳が突き出ていた。


 カツン、と高いヒールの真っ赤なグラディエーターサンダルが足音を立てる。足首近くまである長いスカートは、きわっきわまでスリットが入っていた。

 そして俺に負けるとも劣らない、胸元を強調するふたつのデカメロン……。


 こ、これは凄い……俺はゴクリと唾を飲み込んだ。思わず目が釘づけだ。

 もしティアを作らなければ、俺は彼女みたいなダークエルフのアバターを作っていただろう。

 スレンダーな引き締まった身体に、ボンキュッバン!のナイスバディー。まさに理想のダークエルフたんがそこに立っていた。


 女性は俺の前で高らかにカンッと足音を響かせて歩みを止めた。


「貴女がティアとか言う、最近、この街に来たエルフですの?」


 気取った様子で肩にかかっている髪をパサリと跳ね上げている。

 なんだかひとつひとつの動作がイチイチ芝居がかっている人だな。

 なぜ俺の名前を知っているのかはともかく、間違いではないのでコックリと頷く。


「私の名はリュドミラ。見ての通り、ダークエルフですわ」

「ご丁寧にどうも。冒険者のティアです」


 俺になんの用か良く分からないが、自己紹介されたのでペコリと頭を下げて挨拶を返す。

 ダークエルフのリュドミラは眉を寄せた。イライラした様子で、軽く片足を動かしている。


「そうじゃありませんの。私、貴女と世間話をする為に声をかけたわけじゃありませんのよ」


 じゃあなんなんだよとツッコミたくもなるが、そこは元男の悲しい性。こんなにデカいメロンの前には憎まれ口も引っ込んでしまう。

 ○っぱいは正義!

 この不滅の真理の前には、少しばかりの奇妙な言動など霞んでしまうと言うものだ。


 リュドミラは胸の下で腕を組んだ。グイッとメロンが押し上げられて強調される。

 あぁ、正面から見るとこんな感じなんだ。すげーな。眼福、眼福。

 今度からドワーフの前ではこの格好は控えよう。


 じゃなくて、リュドミラがツンと鼻を上げて口を開く。


「貴女、私とキャラが被ってるんですわ! ひとつの街に2人も巨乳はいりません。私と勝負なさい!」


 はい?

 聞こえてきた台詞に耳を疑って、俺はリュドミラをマジマジと見返してしまった。

 あかーん。この子、俺よりアホの子や!!



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