04.エロエルフの初戦闘!
半透明で、ほんのり白濁した身体。
ドロッとした粘着質の体型。
間違いない、スライムだ。
初戦闘はスライムってわけか。これなら見た目からしても怖くない。
よーし、やってやろうじゃないか。
手にしっかりレイピアを握りしめて勢いよくスライムに叩きつける。
「えいっ!」
なんか可愛い女の子の声が聞こえた。
これが俺の声?
テンション上がるな!
しかし、楽しい気分だったのはそこまで。俺の攻撃はパンッとあっけなくスライムの身体に弾かれてしまった。
俺の○っぱいと一緒に、スライムの身体もぷるるんと揺れる。
なにこれ。戦闘補正とかないの?
普通に剣の腹でモンスター叩いただけって感じなんだけど?
レイピアを握る手がジーンと痺れている。
けっこう本気で斬りつけたつもりだったのに、スライムは気にした様子もなくウゴウゴとこちらへ向かってくる。
ノーダメージのようだ。
この身体、非力過ぎない?
あっ、そっか。知能に全振りしたんだっけか?
体力パラメーターは軒並み、種族初期値のままだ。
エルフはもともと、そんなに腕力ない。
なら魔法だな、魔法。
こんなスライム相手にもったいない気もするが、せっかくの初戦闘だ。
尻尾を巻いて逃げ出したくはない。
あれ? でも魔法って、どう使うんだ?
コマンドは?
メニューウィンドウはどこにあるんだ?
本来なら視界の端にウィンドウを開くためのアイコンが表示されているはずだ。
見落としているんじゃないかとキョロキョロと上下左右を見回すが、視野が動くだけでアイコンっぽいものは見当たらない。
混乱してる間にスライムに距離を詰められてしまった。
剣で叩いたせいで敵認定されてしまったのだろう。
ネバネバした身体から考えられないほど素早い動きで、スライムが飛び上がってアタックしてくる。
「いったぁ!」
避ける隙もなくモロに体当たりを食らって、地面に尻餅をつく。
スライムに攻撃されたダメージはバイブレーションなどではなく普通に痛かった。
倒れて、地面に勢いよくぶつかった尻もジンジンする。
「なにこれ、なにこれぇー!?」
スライムがぶつかってきた服の前面にはベッタリと粘着質の液が張りついていた。
ベタベタとしたそれを指で軽く拭って、うへぇ、と声を上げる。
こんなリアリティいらないんだけど。
なんなんだよ、これは? 俺は購入するゲームを間違えたのか?
いや、ログイン画面までは確かにEternal Sinfonìaだったはずた。
なのに、なんで操作方法が一切、分からないんだよ!?
どうしてゲームの説明書や、事前に調べた内容と違ってしまっているのか考えようとしたが、混乱して何も浮かんでこない。
頭が真っ白だ。
もう一度、スライムが飛びかかってくるような仕草を見せたので、腰を抜かしたままズリズリと地面を後退する。
手に触れた小石を無我夢中でスライムに投げつける。
「くっ、来るな、来るな~ッ!」
ノーコンで投げた小石はほとんどスライムに当たることなく身体の周囲に散らばったが、それでも牽制くらいにはなったようだ。
スライムが様子を伺うように一瞬、動きを止める。
その隙に俺はなんとか立ち上がると、震える足でその場を逃げ出した。
どこに行けばいいかなんて分からない。
それでも、ここにいたくなかった。
慌て、蹴つまずきながら森の中をひた走る。
勝てる気がしない。
最弱のモンスター、スライム一匹にでさえ。
情けなさにジワッと瞳に涙が滲む。
こんなはずじゃなかった。楽しいファンタジーライフの始まりのはずだったのに。
こうして俺の初めての戦闘は敗北が確定した。
ヽ(;ω;)ノ=3=3=3




