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34.エロエルフ、依頼達成す!


 冒険者ギルドは昼も夜も関係なく開いている。

 とは言え、夜はクエストの受注や達成報告は受け付けていない。

 俺は受付が閉まるギリギリの時間にギルドに飛び込んだ。


「すみませーんっ、まだいけますか!」


 こんな時間になったのはあれだ。防具屋の親父とあーでもない、こーでもないと話し合ってたからだ。

 購入したものの内、小振りの盾だけウェストポーチに入りきらなかったので、腕にはめている。

 一番小さいやつを選んだのに、結構、重い。

 持つだけならともかく振り回すのは俺には無理そうだ。


「あら……ティアさん」


 受付のお姉さんはわずかに言葉を途切らすと、その合間にチラッと胸元を見てから呼びかけてきた。

 もしかして俺、胸で判別されてるッ!?


「依頼を達成してきましたー!」


 俺がドヤ顔で薬草をカウンターに並べるのを見て、お姉さんはびっくりした顔になった。

 本当に採ってくるとは思っていなかったんだろう。

 それに、新人にしては量も多かったようだ。


 お姉さんは丁寧に薬草を数えると10本を一纏めに2つ束を作り、端数の3つを脇に置いた。


「はい、確かに薬草23株、受領いたしました。初の依頼達成、おめでとうございます!」


 終業間際だというのに嫌そうな顔もせず、西門に引き続きここでもパチパチと拍手してくれる。

 みんな、ええ人や~。


「えへへ~」

「それではこちらが報酬になります」


 カウンターにコトリと、銅貨2枚と、吹けば飛ぶようなペラッペラに薄くて四角い金属がいくつか置かれる。

 これって、あれだ。小学校とかで理科の授業で重さを計るのに使ってた上皿天秤の、分銅板の一番ちっちゃいやつみたいな……。


 俺が目を点にしてお金を眺めていると、お姉さんが不思議そうに首を傾げる。


「どうされました? 規定通り、薬草1本につき小銅貨1枚ですよ。最初の依頼にしては数が多かったので、素晴らしいです。さすがエルフさんですね。あ、受領確認するのでギルドカードの提出をお願いします」


 呆然と黙り込んだまま、俺は言われたことだけをこなすロボットみたいに受付嬢にギルドカードを手渡した。


「あら、レベルも上がったんですね? こちらもおめでとうございます」


 お姉さんが何か言っているが、頭に入ってこない。

 小銅貨? 小銅貨だって? そんな単位がこの世界にはあったのか。

 つまり、俺の今日の給料は2300円也……。

 時給に換算にしたらいくらだよ!!

 これじゃ宿屋代にすらならない。


 フィオの店での散財……市場での買い物……スライムを倒すのに1枚1000円の護符を3枚も使ったことなどを思い出す。

 おおおお大赤字だよ、これ!!


 しまった。冒険者って、実はまったく儲からない?

 固まったままの俺へとギルドカードを返して、受付のお姉さんはニッコリと営業スマイルを浮かべた。


「薬草採取は期間不問で常時受けつけております。もし良ければ明日以降もどうぞよろしくお願いいたします」


 なんで薬草採取の期限が定まってないのか、よーっく分かったわ。

 普通、他の依頼のついでとかに見かけたら採るようなもんなんだわ、多分。

 俺はお金とカードを受け取って、肩を落としながらトボトボと冒険者ギルドを後にした。


λ............トボトボ

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