31.エロエルフとオーク、水浴びする。
オークの子供はお腹がいっぱいになると、やることもないので地面にペタンと足を放り出して座り、草を引っこ抜いて遊び始めた。
子供、子供って呼ぶもの面倒臭いな。
「お前、名前はないの? な・ま・え」
聞いてみるが、首を横に振られる。もともとオークには名前なんてないのか。それとも名づけもしてもらえず放っておかれたのか。
「じゃあ、今日からお前はタローだ。たろちゃんな?」
適当すぎるが、勝手に名前をつける。俺の本名がシローだから、タローにしてみた。
ちなみに俺は四男ではない。司る方のシローだ。
「たろー?」
タローは自分を指差してぽつりと呟く。それから俺に指を向けた。
「ママ?」
「もう、ママでもいいよ」
投げやりに答えると、走って来てギュムッと抱きつかれる。
「たろー、ママ、だいすき!」
うう。だから、こういうのダメなんだって。目がうるうるしてくる。
俺もヒシッとタローを抱きしめ返した。
「ママも、たろちゃんが大好きだよ!」
グリグリと頭を撫で回す。
なんだか反応が小さくなってきたなと思ったら、タローは顔をデカメロンに埋もらせて窒息しかけてた。
あ、あっぶな。
慌てて身体を離す。
タローはゲホゲホと、地面に手をついてえづいた。
「ご、ごめんね?」
「だ……いじょ、ぶ」
口元を拭って、タローはヨロヨロと立ち上がった。
このふたつのメロンは凶器過ぎるな。
気をつけないと。
近寄って思ったが、タローは風呂なんか入ったことないんだろう。薄汚れていて、ちょっと臭かった。
せっかく目の前に水場があるんだから、身体を洗うとするか!
「今から、たろちゃんの身体を洗います!」
指を突きつけて宣言すると、水が嫌いなのかピュッと逃げ出しそうになった。
油断なんねーな。
『ブリージング!』
精霊に頼んで足元に風を起こす。タローは足を取られてこけて、ベチャッと地面に倒れ込んだ。
これ、結構、便利だな。
「こーら、抵抗しなーい!」
首根っこを押さえつけて、ポイポーイっと服を脱がせていく。
破れた上着と腰ミノしかないから簡単だ。
脱がせてみたらタローは、ちゃんと男だった。
こんな名前つけて女とか判明しなくて良かった。
俺も装備を外して、シャツやスカートも脱いでいく。
さすがに下着はつけたままだ。
こんなに小さくても男の子なんだろう。
緑の肌で分かりづらいが、タローは頬をほんのり赤くしてるみたいだった。あんまり俺の方を見なくなった。
「このやろっ、いっちょまえに色気づきやがって」
ヘッドロックみたいに首に腕を回して、泉まで連れて行く。
そうしないとジタバタ暴れて逃げ出そうとするからだ。
「怖くないって。身体洗うだけだから。もー、観念しなさーい!」
バチャッとタローを泉に突き落とす。俺も隣にパチャンと水音を立てて足をつけた。
今はどのくらいの季節なのかな。
春の終わりか、夏前くらいだろうか。
昼間は気温が上昇してるので、ひんやりとして気持ちがいい。
俺はジタバタと暴れるタローを押さえつけて、ゴシゴシと身体を洗った。
あれだ。タオルとか持ってなかったからな。使ったのはさっきのパンツだ。
おパンツは尊い犠牲になったのだ。
石鹸もないのであんま意味ないかも知れないが、洗わないよりマシだろう。
俺が頭にも水をかけると、タローはジトッと藪睨みの視線で見上げてきた。
「マ、マ……ひど……」
「酷くないです。綺麗にしとかないと病気とかになるんですっ!」
髪も綺麗にすべく、わしゃわしゃとかき回す。
これって髪だよな、一応。毛ってわけじゃないよな。
タローは俺の腕から逃れて両手で水をすくうと、思いっきり俺に投げつけてきた。
バッシャーン!と顔からも胸からも水がしたたる。
「こらー、よくもやったな!」
俺も笑いながらタローに水をかけ返す。
跳ねる水がキラキラと、陽光に照らされて虹色に光って見えた。
アハハハと、二人分の笑い声が森にこだまする。
俺たちはそれから息が切れるまで、ふざけて水のかけあいっこを続けた。
(*゜▽゜)ノ 。*:゜ヽ(*^^*)ノ




