20.エロエルフ、宴会す!
大量の料理が並ぶテーブルを前にして、俺たちは争うように肉を手に取った。
ミミなんか、うっとりした目つきで両手に骨つき肉を握っている。
なんの肉か分からないが、旨いんだからそれでいい。
おやっさんの料理は旨い! それだけ分かってりゃいい!
焼き加減といい、塩加減といい、最高だ!
誰だ? 肉なんて誰が焼いても同じだろうとか抜かす奴は?
シンプルに見えるものこそ、一番難しいのだ!
「それで……モグモグ……なんで皆さんは……ムシャムシャ……冒険に出てなかったんですか?」
「いや、それは……ガツガツ……こいつが悪いのだ」
肉にかぶりつく合間に、フリードさんがフォークで隣のドワーフを示す。
どうせそんなこったろうと思ってたよ。
ドワーフはガッハッハッと笑ってエールを煽った。
ちなみに席の配置はドワーフの両脇をフリードさんとメイヴィスさんが固め、しっかりガードして下さっている。
おっとりとメイヴィスさんが切り出す。
「ダンジョンでブレンが無茶をして、一度、死んだんですわ。それだけならまだ再生料だけで済んだんですが、戦斧まで壊れてしまいましてね」
メイヴィスさんの目の前には空になったジョッキがいくつも置かれている。
そんなに飲んでいるように見えないのに、気のせいだろうか?
うん、ドワーフが飲んだに違いない!
ほんのりとも赤くなっていない頰を傾げて、メイヴィスさんが続ける。
「ウチは少しパーティの構成が悪いでしょう? 前衛からブレンが抜けたら、簡単な依頼ならともかく、さすがにダンジョンには潜れませんわ。せめてもう一人、前衛がいたら違うんでしょうけど」
言いながらも、メイヴィスさんが手に持つジョッキは、ゴッゴッゴッと中身が減っていった。
うわー、この人、うわばみや。
「そうそう、冒険者稼業ってね、身一つだから儲かるように見えて、結局、武器の修理やなんやでお金が飛んで行くんだよー」
「やりくりができていなかったと言う点で、パーティのリーダーとして申し訳なく思っている」
フリードさんは真面目に酔うタイプなんだろうか?
深々と頭を下げて浮上してこないので、皆で慰めておいた。
「ブレンの戦斧の修理がやっと終わって、今日からまた仕事をする予定ではあったが、すぐに稼げるとも限らないからな。ティアからの依頼はほんとーに助かった、ありがとう!」
なんでもドワーフの武器は後払いで直してもらったらしい。
ちゃんと借金返すまで今度は死ぬなよ、おっさん。
「てゆうか、死んでも生き返れるんですね?」
「あら、ダンジョンは特別よ。死んでも肉体と魂が始まりの部屋に再生されるの」
俺の素朴な疑問にメイヴィスさんが答えてくれる。
やさしーお姉さんだな。
「蘇生スキルを持つ人もいるけど、必ず成功するわけじゃないし、使い手が少ないから天文学的な金額がかかるわよ。普通の場所では気をつけてね?」
「と言うか、ティア、お前にはまだダンジョンどころか依頼すら早い! きちんと魔法を習得してからにするのだ!」
フリードさんは完全に酔ってんな、これ。
据わった目でビシィッと指を突きつけられて、曖昧に笑っておく。
やさしーおじ……いや、お兄さんだわ。
そんなこんなで夜は更けていき、俺たちはいつまでも楽しく歓談を続けた。
ヾ(*⌒¬⌒*)ノ ンマ〜ィ♪




