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17.エロエルフ、賞賛される!

 

 せっかくなので俺もこの街にいる間は皆と同じ宿に泊まることにした。

 "銀翼の飛龍(シルバーワイバーン)"の面々が拠点としているのは"眠る仔馬亭"という宿屋らしかった。

 大通りからちょっと離れていて、こぢんまりとしているが、外観はなかなか綺麗そうな建物だ。


「親父さんは頑固だけど、料理は美味しいんだよ~」

「なにより安いしな」


 フリードさんたちの背中には相変わらず哀愁が漂っている。

 ほんとに何があったんだろう?


 宿の中に入ると受付に、頭はつるっ禿げなのに、反比例するように顎は髭もじゃの、ガタイのいいオッサンが立っていた。

 筋肉隆々で、この人が冒険者って言われてもおかしくないくらいだ。


 小綺麗なロッジ風の宿屋とのミスマッチさが凄い。

 宿の主人はフリードさんたちの姿を見るなり、ギロリと目を光らせた。


「なんだ、穀潰しども。今日も冒険に行かずにとんぼ返りか?」

「今日はきちんと依頼をこなして帰ってきた。宿代もちゃんとある」


 依頼って言ってもドワーフが俺に魔法教えただけだけどな。

 皆はバラバラとおやっさんに代金を渡した。


「今日の分は建て替えておきますわ」


 メイヴィスさんだけはドワーフの分も払っている。


「それに新しい客も連れてきたんだ」


 フリードさんに紹介される。おやっさんに睨みつけるような視線を向けられて、どーも、と頭を下げる。


「女1人旅か。金はあるんだろうな?」


 おやっさんの瞳は沈着冷静だった。俺のデカメロンを見ても顔色ひとつ変えない。

 この親父、なかなかできるな。


「大丈夫。ティアちゃんはお金持ちなんだよ!」

「金さえ払ってもらえりゃぁこっちに文句はねぇ。先払いで一泊銅貨4枚。朝食込みだ」


 俺は銅貨をまだ持ってないので銀貨2枚をコトリと受付に置いた。


「それじゃぁ、当面5日分でお願いします」

「あいよ」


 おやっさんは短く答えて硬貨をしまうと、俺に部屋の鍵を渡してくれた。

 振り向くと、4人がマジマジと俺を見つめていた。


「なんで? なんで、今、計算もせずに銀貨2枚が5日分って分かったの?」

「え? 銅貨10枚で銀貨1枚換算ですよね?」


 計算を間違えたのかとおやっさんを振り向くが、うむ、と深く頷いて肯定される。


「そうじゃなくて……ティアちゃんってこう見えて頭いいんだね?」


 こう見えて、は余計だろう。

 この世界では計算にまつわるスキルを持っていない者にとって、二桁以上の計算は指や紙でも使わないと難しいらしかった。


 学校での成績は下から数えた方が早いような落ちこぼれの俺でも、掛け算や割り算ができるだけで天才扱いだ。

 急に気分がよくなって、俺は腰に手をあててドヤ顔を見せた。

 動きにあわせて、スライムみたいな柔らかさの○っぱいが、たゆゆんっと揺れる。


「もっと褒めてもいーんですよ?」

「うん、凄い、すごいっ!」


 ようやく、俺も彼らの中でちょっとは株を上げることができたみたいだ。

 チートはないのかと思ってたが、思わぬところで現代知識が役に立った。


「冒険者じゃなくて商人になればよかったのに」

「さすがにそこまでは。簡単な計算ができるだけなんです」


 九九以上のことを俺に求めないでくれ。

 晩御飯にはまだ少し早いので、それぞれの部屋に解散して、あとで食堂で待ち合わせることになった。


( ̄^ ̄)えっへん

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