16.エロエルフ、リベンジされる!
「初めてで、いきなり攻撃魔法を習得できるわけがないじゃろ。ましてや精霊魔法は補助系が中心じゃ。魔力の操作を覚えるにはブリージングが一番簡単なんじゃ」
いくつかのたんこぶができた後頭部をさすりながら、ドワーフがムスッとした顔で説明してくれる。
言われてみればごもっともで、俺は頭を下げた。
「疑ってすみませんでした」
本日の授業料として銀貨10枚を払う。
たったこれだけで、およそ10万円也か。
ちょっと高すぎやしないかと思うが、魔法は本来、部族間や弟子だけに教えるもの。
そのような伝手がない奴が魔法学校に行くより断然安いらしい。
ドワーフだけ儲けても他のメンバーには関係ないんじゃ?と首を傾げていると、あれよあれよと言う間にドワーフの手から硬貨が消えた。
「これは武器代を立て替えてた分な」
「それから、酒場で酔っ払って暴れた時の返済分ね」
「それと、ギャンブルでスッたお金に利息も含めていただきます。これはお釣りですわ」
ドワーフの手元にチャリンと返されたのは銅貨1枚だけだった。
自業自得とは言え、さすがにちょっと哀れだ。
「ちょっと待て。実際に働いたのは儂だけじゃぞ! これっぽっちじゃ酒も飲めんではないか!」
「あーら。まだまだ借金はあるんですわよ。それだけあれば一食は食べられるでしょう?」
メイヴィスさんにジロリと睨まれて、ドワーフはムグッと黙り込んだ。
「明日もティアちゃんに魔法を教えて稼げばいいんですわ」
今日の金額は初回受講料と言うことで、明日からは1回につき銀貨3枚にまけてもらった。
皆でゾロゾロとギルド会館へ戻っている最中に、俺のお腹がグゥ~ッと音を立てた。
……恥ずかしい。
「たくさん魔法使ったから、お腹減ったよねっ」
ミミが明るく俺の腕にまとわりついてフォローしてくれる。
猫耳っ娘の胸が俺の腕に当たってるんやで~。
感涙ものだ。
「ボクたちが拠点にしてる宿のご飯、凄く美味しいんだよっ。よかったら晩御飯、一緒しない?」
なんとミミはボクっ子だった。そう言えば初対面の時も言ってたかも知れない。
緊張してて気づいてなかったけど、ボク喋りも可愛いな。
ミミのスレンダーな身体つきや、おかっぱみたいな黒髪と相まって似合い過ぎている。
誘われて異論があるわけがなく俺は二つ返事で頷いた。
「うんっ。行く行く!」
女の子同士のやり取りって楽しいなぁ~。
俺は手元に数枚だけ残して、あとの銀貨を全てギルドに預けた。
金貨はちょっと怖くて人前で出しづらい。
俺が小金持ちだと知ってギルドの職員の態度が緩和されたよーな、変わらないよーな。
「再発行するまで預金の引き出しができなくなりますので、ギルドカードはなくさないように気をつけてくださいね」
ニッコリと笑顔でカードを返される。
ぜんぜん変わってなかったわ。
ちなみに血紋認証と言って、最初にギルドカードを作った時にその人の魔力を登録しているので、他の人が偽造することはできないらしい。
魔法の世界は進んでるな。
4人と一緒にギルドを出て、雑談しながら宿への道を歩く。
なんだかジロジロと道行く人の視線が俺たちに突き刺さってくる。
「皆さんって、けっこう有名な冒険者なんです?」
「いや、別に普通だ。それなりに長く活動しているので中堅どころと言った感じかな」
それにしては視線が多いような。
「なんだか街行く人に見られてるような気がして……」
アハハッとミミが笑い声を上げる。
「それはティアちゃんを見てるんだよ~。こんなに可愛いんだからさぁ」
ミミが、ぷにぷにと俺のほっぺたをつついてくる。
見られてたのは俺か。まだ女だってことに慣れなくて、つい自分の外見、忘れちゃうんだよな。
「それにこれ、おっきぃよねぇ」
間近でミミが俺の胸を見下ろして、ゴクリと息を飲む。
自分で下を向いてもデカメロンのせいで足元が見えないくらいだ。
「ミミのだって形がよくて大きいと思うけど?」
「ティアちゃんとは比べ物にならないよ~」
ミミはしばらく何かを考えるように俺の胸元を見つめていた。
「えいっ、さっきの仕返しっ!」
かと思うと、道端なのに両脇から手を伸ばしてポインッと胸を掴んできた。
「すっ、すっごい弾力……!」
「あんっ。ミミのエッチ! そんな風に触られたら……」
じゃれ合っているといつの間にかドワーフだけでなく、道行く男性まで咽び泣きながら両手で俺たちを拝んできていた。
「冥土の土産にええものを拝ませてもらった……!」
おおげさすぎるだろ。
特に、ドワーフはいつまで経ってもしぶとく死にそうにない。
俺も百合は嫌いじゃないが、まさか自分でするはめになるとは夢にも思わなかったな!
ごちそーさまでした!!
(//∇//)ミミのエッチ///




