14.エロエルフ、魔法を習う!
ドワーフの説明は読み飛ばして!
認めたくないが、ドワーフのオッサンが精霊魔法の使い手だってことは理解した。
冒険者が集まる街だ。
探せば他にもいるだろうが、現状、俺にはこの人たちしか知り合いがいない。
それにお人好しなのかこの人たち、初対面の俺に親切だしな。
できれば仲良くなりたいものだ。ドワーフを除いて。
「儂は安くないぞ」
ドワーフは俺の身体に下卑た視線を這わせてくる。その視線を遮るように、テーブルにドンッと布の袋を置く。
「お金ならあります」
いかにも重そうな硬貨の音に他の3人は喉をゴクリと鳴らした。
「ティ、ティアちゃんってお金持ちなんだね……」
ミミの頭上の猫耳が、きゅう~っと情けなく下がる。
「わしゃぁ、金より○っぱいの方が……」
ドワーフが開きかけた口を、メイヴィスさんがムグッと塞ぐ。
「黙らっしゃい! あなたの嗜好より、先立つものですよ!」
「もう野菜炒めは飽きたよ、ブレン~」
「う、うむ。情けない話だが、この依頼、受けてくれれば一息つける」
なんだか皆さんの反応が哀れさを誘う。仕事が上手くいってないんだろうか?
俺は踏ん反り返って、胸の前で腕を組もうとした。
が、おっ○いに阻まれて、その下で腕を組むはめになった。
「どーするんです? お金と身体の、どちらの支払いがいいんですか?」
あれ? これ、どう考えても胸を強調してるポーズじゃね?
ドワーフには逆効果じゃね?
「身体で……」
言いかけたドワーフの顔を、三人がガゴンッとテーブルに打ちつけた。
「「「お金でお願いします!」」」
3人の声がハモる。
い、今、メイヴィスさん、錫杖でドワーフの後頭部殴ってなかった?
こんな優しそうな人が見間違えだよな。うん、俺の勘違いに決まってる。
俺はガクブル震えながら、皆に連れられてギルドの訓練所に向かった。伸びているドワーフはフリードさんが引きずって連れて来た。
訓練所はギルド員なら無料で使えるようだ。
やっと目を覚ましたドワーフは、地面に座り込んでムスッとした顔で髭をさすった。
「ほんの冗談に決まっておるだろーが」
いいや、お前、絶対本気だったから。
ドワーフに近寄りたくないので、ミミを挟んでの講義が始まる。
俺はミミの背後に隠れて、こっそり顔だけ出した。
「属性魔法と精霊魔法の違いは分かるな?」
ドワーフが、このくらいは常識だろうと切り出すが、俺はプルプルと首を振った。
呆れて溜め息をつかれる。
「属性魔法は自分の中の気、いわゆる魔力を使って行う魔法をさす。一方、精霊魔法はその名の通り精霊に魔力を与え、魔法を具現化するんじゃ」
おお。エロじじいの癖に、ドワーフの説明はけっこう分かりやすいぞ。
「それぞれにメリットとデメリットがある。属性魔法は必要な魔力を注ぎ込めばまず失敗することはなく、一定の効果が得られる。ただし自分の魔力を使用するので使用できる回数は少なく、威力は限定的じゃ。
それに比べ、精霊魔法はわずかな魔力で強い威力が期待できる。しかし精霊は気まぐれで、かつ環境に依存しておる。例えば水のない空間では水魔法の威力は激減する……って、おい、お嬢よ。ちゃんと聞いておるんか?」
ハッ。つい、話が長いので現実逃避してしまっていた。俺は説明書は読み飛ばしてゲームを進めるタイプだ。
それにこういうのって基本的にどんなゲームも同じような設定だしね。
「大体、分かったので先に進んで大丈夫です」
適当な俺の態度にドワーフはやれやれと肩を竦めた。
*+.(・∀・).+*.。oO(次こそ俺の魔法が炸裂する!?)




