01.エロエルフ、爆誕す!
バーチャルリアリティゲームとか言われても素人の俺にはよく分からないが、ゲームの中に入れるんだって言うのはまぁ理解した。
その日、俺は興奮しながら新品のヘッドギアを箱から取り出した。
「これがMAGU……」
すっぽりと頭に被るタイプのヘッドギアだ。黒くツヤツヤとした輝きに息を飲む。
長くつらい節約生活だった。
これで俺もファンタジー世界に行けるんだ!
「イェ~イ!」
誰に見せる予定もないのにヘッドギアを頭の横に掲げて、とりあえず自撮りしとく。
パシャッ、パシャッとシャッター音が何度か部屋にこだまする。
いいね、いいね、このツヤ。この重量感。
いかにも世界最先端の技術って感じがする。
数年前までは大型の機械が必要だったのでVRを体験できるのは限られた人間だけだった。
とてもじゃないが俺みたいな一般人に手が出せる値段じゃなかったのだ。
ところがこのMAGUと言う新システムが夢を現実にしてくれた。
Machine Assisted of Game なんちゃら……この機械が脳に直接働きかけて、仮想現実の世界でも実体や五感があるように感じさせてくれるらしい。
なんか説明書読んでもどんな仕組みかさっぱり分からなかったが、ゲームの世界に入れるってとこだけは理解した。
大事なことだから二度言いました。
庶民にもお買い求めやすくなったとは言え、そんじょそこらの家電より遥かに高価なそれを、おっかなびっくり設置してしていく。
まず本体にケーブルを繋げて。
コンセントも差して。
ゲーム中は身体が無防備になるからベッドのような横になれるところでプレイした方がいいらしい。
「ふーっ……」
ふむふむ。こんなもんでいいのかな。
誰でも気軽に別世界へ!が売りの機械だけあって思ったより設置は簡単だった。
今から俺がプレイするのはVRMMORPG。いわゆるバーチャルリアリティゲームってやつだ。
その中でも俺が選んだジャンルはファンタジーだ。
剣と魔法の世界。憧れてたんだよなぁ。
最初にプレイするのは絶対、ファンタジーゲームって決めていた。
そして俺にはもう一つ、野望があった。
それは、○っぱいだ。
そう、VRの世界で女になれば自分のおっ○い揉み放題じゃね?と考えたのだ。
俺って天才じゃね?
こうして自分の部屋で機械を見下ろしてても何も始まらない!
俺はいそいそとパソコンを立ち上げて専用の設定アプリをダウンロードした。
VRの中でもキャラ設定は可能だが、慣れない操作で悔いを残したくなかった。
どうせなら理想の女の子を作るのだ!
おっぱ○を堪能した後は男キャラを作り直してもいいしね。
カチカチ、カチッ。
一人、静かな部屋にマウスのクリック音だけが響く。
興奮状態のまま夢中になってキャラ設定を続ける。
種族はエルフ! エルフに決まってる!
白肌もいいけど、ダークエルフも捨てがたいなぁ。
ダークエルフたんの、○っぱい……ぽわわん。豊満な黒パイを夢想して、俺はだらしなく顔をにやつかせた。
ディスプレイにうっすらと映り込む男の顔が怖い。
ハッと我に返る。
でもまぁ、最初だから正統派で白肌にしとくか。
何人ものおっ○いを堪能してもいいのだ。
ここは自由な世界なのだ。
髪はちょっと薄めの金髪。プラチナブロンドって言うんだろうか?
目の色は緑。神秘的なエメラルドグリーンだ。
背は高くて細身。
そして巨乳。これは譲れない。
Hカップはありそうなデカメロンだ。
職業はやはり魔法使いだろう。エルフだから精霊魔法の使い手だな。
ステータスは適当に知能に全振りでいいだろう。
俺はやった。やり切った!
満足感に鼻からムフーッと大きく息を吐いて、データを本体へ送信する。
あのヘッドギアの中に俺の理想のエロエルフたんが待っているのか!
待ってろよ、おっぱ○たん!
高鳴る鼓動に手を震わせながら、俺はベッドに座ってヘッドギアをすっぽりと頭に被せた。
( ゜∀゜)o彡°おっぱい!おっぱい!