第1話 東欧の風
最初は東欧から
ウクライナ 首都キエフ
「EU加盟賛成」
「EU加盟反対」
東欧では、混乱が続いていた
数ヶ月前 2004年5月1日
隣国ポーランドがヨーロッパ連合へ加盟したのだ
1999年にはNATOにも加盟しているポーランドに
ウクライナでもヨーロッパ連合への加盟運動と反対運動が起きていた
賛成派は、ウクライナ中部から西部
反対派は、クリミア半島や東部
特にクリミアではもしウクライナがEU加盟をするなら、ロシアに戻ると宣言する自治政府が発言し
大混乱が始まった
軍内部でもロシア派とEU派で喧嘩が起きることが多く、士気は軒並み最悪だった
ロシアとしても、クリミア半島は 黒海艦隊の拠点基地として押さえておきたい
だが、ロシアは、ソ連崩壊のどさくさで蝦夷人民共和国(現在は日本だが)に樺太と一部武器を取られてしまい、威厳が揺らいでいた
東部の人は、ロシアの動きが怖いから、加盟に反対
クリミア半島の人はロシアとゆかりが深いから反対
西部の人は、ポーランドを見ていて
ヨーロッパ大陸が一つになろうとしているのを夢に見た
フランスとドイツは、ロシアを牽制しようと必死だったが
ヨーロッパ連合拡大に不安を抱くイギリスは、それによる通貨統一に不安を感じていた(統一通貨への参加を保留しており、ポンドのまま
ロシア
「大統領、このままですと、ウクライナがヨーロッパ連合に加盟してしまいます、東ウクライナのロシア系住民が危機にたたされてしまいます」
「ああ、だが、蝦夷人民共和国がやらかした傷跡が大きすぎる、今はロシア全域を守るので、精一杯だというのは君も知っているだろう」
「ですが、我々には、核もありますし、t-90戦車も」
「確かに、ウラルで造っているが、ウクライナに前身のTー80戦車の部品工場があっただろ、しかもそれでT-84u戦車を造りやがったし」
「でも、90よりコスト高いはずですよ」
「まぁ、そうなんだが、日本もT-80戦車を統一後に参考資料にして対抗できる戦車を作りやがったからな」
ps この世界での日本では90式戦車は導入されませんでした(設計はされたが、あまりにコストと重量が大きいため)
USA ホワイトハウス
「・・・・・・ウクライナで内戦の動きだと」
「ええ、CIAからの情報です」
「例のポーランドのEU加盟が原因か」
「そのようです」
「アメリカ欧州軍にも警戒を呼びかけておけ」
「了解」
だが、その一方、極東でも新たな火種が巻かれようとしていたとは、誰も知る由はなかった
第2話 脱獄に続く