第19話 ドイツの命運
12月4日
ドイツは、博打に出た
オーデル川、ナイセ川西岸に、大規模な砲台陣地、そしてベルリン近郊にドイツ空軍とイギリス空軍の精鋭が結集した
この川は、ポーランドとドイツの国境ライン
難民たちは、イギリスに次々となだれ込み、カナダに逃げ込んだ
ベルリン
「成功すれば、一気にポーランド奪回、失敗すれば東ドイツ喪失で、ボンあたりに首都移転か」
「大統領、笑い話じゃありません」
モスクワ
「ヤポンスキー(日本)は、まだ極東の海で演習してるのか」
「もう1月も続けてますよ、入れ替わり立ち替わり、金がもったいないのに」
「満州共和国に警告させろ、日満貿易の停止命令を満州共和国にさせろ」
「はっ」
夕方 満州共和国首都 長春
「・・・・・・・・・」
「柊大統領、どうされました」
「ロシアからの内政干渉だ、読んで見ろ」
『中華連邦との戦争による勝利、まことにうれしく思います、しかし日本が極東ロシア近海で軍事演習をしているのは、こちらとしては迷惑です。そこで、演習をできなくさせるように、満州共和国に日本との貿易を停止させていただきたい』
「完全な内政干渉じゃないですか」
「此処で、干渉を蹴れば、間違いなく不可侵条約は破棄され、ロシアが攻め込む危険性がある、日本と手を組むか、ロシアと手を組むか」
「・・・・・・・・・議会に問うんですね」
「ああ、任期も後2年、建国特例措置で2007年から5年の任期、再選は厳禁、次の大統領は誰になるのやら」
「親日派や日系人、瀋陽軍区出身将校なら、柊大統領の理想像と重ねやすいですけどね」
東京
「ロシアが圧力を掛けてきたか」
「此処で、満州共和国がロシアに屈したら、日本全域がロシアの攻撃圏内には行ってしまいます」
「仮に屈しなかったとしても、次の満州共和国の大統領が親露派だったら、完全に風前の灯火だ」
「ええ」
12月9日
満州共和国議会
「対日貿易規制法は、賛成45票、反対156票、当議決は反対多数により否決とします」
「はぁ、議会は日本を選んだか」
「黒竜江北部の出身議員が筆頭で賛成でしたね、まぁ漢城や元山の出身議員も反対してたが」
「ロシアとの不可侵条約の破棄が決まったようなものだな」
モスクワ
「満州議会が、対日貿易規制を否決しただと」
「ええ、満州共和国は、領土拡大を元に日本企業の進出優遇策をしているらしいので」
「第二次世界大戦あたりのことを繰り返す気か」
「しかし、今は耐えるときです。ドイツさえ落とせば、一気に極東に兵力を投入して、圧力をかけられます」
「うむ」
だが、独露戦争は、ロシアはドイツに突入できず、ポズナンまで撤退、
そこから、9月まで一進一退の戦いが続いていくのだった




