【スキルツリーを表示します。】
いろいろと気になる点がある。
質問を続けよう。
「じゃあ……戦いの時に出たあの光の柱はなんだ?」
【当剣に搭載されたスキルシステムになります。】
【スキルシステム、及びスキルツリーの説明をしますか?】
「ああ、頼む」
スキルか……なんだかRPGっぽくなって来たな!
ワクワクするぜ。
【スキルシステムとは当剣に搭載された戦闘の技術です。】
【また戦闘以外の技術も搭載しております。】
【スキルツリーとは現在覚えられるスキルを表示するシステムです。】
【所有者によって覚えられるスキルは変動します。】
なるほど……
所有者である俺の資質なんかで覚えられるスキルは変わると。
【スキルツリーを表示しますか?】
「表示してくれ」
【スキルツリーを表示します。】
空中に表示されていたメイン画面から大きな画面へと切り替わった。
これがスキルツリーというものらしい。
「へぇ……いろいろあるんだな」
【濃い色で表示されているスキルが現在取得可能なスキルとなります。】
【薄い色で表示されているスキルは現在取得することが出来ません。】
【ですが条件を満たした場合、濃い色で再表示されそのスキルを取得することが出来ます。】
なるほど、今は条件が満たされていないから取得不可と。
じゃあこの色のないヤツはどうなんだろう?
戦闘用スキルにあるこれ、低級火魔法とか心躍るスキルなんだけど。
「この色のない、透明なのは?」
【透明なスキルは所有者がスキルの取得に最低限必要な資質すら持ちあわせていないスキルです。】
【絶対に取得することが出来ないスキルとなります。】
マジかよ……
俺に魔法は使えないの?
「絶対に魔法は使えないのか?」
【所有者、あなたが魔法関係スキルを取得出来ないのは人が自力で空を飛べないのと同じです。】
【身体構造上、絶対に不可能です。】
【魔法を使用するためには魔力と呼ばれる特殊なエネルギーを体内に貯蔵する必要があります。】
【所有者の身体には魔力を貯蔵する機能がありません。】
【故に不可能です。】
……ここまで強く否定されてしまうともう何も言えない。
どうやら俺に魔法は使えないらしい。
いや、まてよ?
この剣での所得が無理なだけで他に方法があるかもしれない。
希望は捨てないでおこう。
気を取り直して、ええと俺が取得可能なスキルは――
【光力戦闘術2】
【光力、と呼ばれるエネルギーを使って戦うスキル。】
【モンスターの多くは光を弱点とするため、モンスター退治の際に役立つ。】
【このスキル取得には光力戦闘術1を取得する必要があります。】
これか。
因みに【光力戦闘術1】のほうは取得済みだった。
……こんなのいつ覚えたんだ俺は。
【光力戦闘術1】
【光力、と呼ばれるエネルギーを使って戦うスキル。】
【モンスターの多くは光を弱点とするため、モンスター退治の際に役立つ。】
【このスキルはアプリケーション「オートパイロット」の影響で自動的に取得しています。】
【取得条件――今まで多くの光を浴びてきた。】
光を多く浴びるのが取得条件か。
太陽光とかならまあ分かる。
生きているうちに光なんていっぱい浴びるしな。
そして「オートパイロット」、こいつの影響で自動的に取得していたのね。
で、こっちは……細分化されたものか。
【ルクス=タワー】
【消費LP2000】
【光の力を使った攻撃。】
【敵を光の柱に閉じ込め、逃げ場のない状態で強力な光を浴びせて攻撃する。】
【取得している光力戦闘術のランクで威力が変動する。】
【「閃光よ我らが敵を飲み込め、ルクス=タワー」のボイスキーで発動可能。】
技名を叫んでいたのはカッコつけじゃなかったんだな。
あの時カッコいいからつい叫んじゃったけど。
しかし……消費LP?
なんだろうこの数字は。
「LPってなんだ?」
【LPとはルクスパワー、当剣に貯蔵されている光力の量になります。】
【光力戦闘術などの光力を消費するスキルを使用することによって減少します。】
【太陽光などの光が当剣に当たることによって光力がチャージされます。】
【最大値は10000です。】
【現在値は8105。】
【約十分後にフルチャージされます。】
RPGでよく見るMPとかと同じか。
っていうかルクス=タワーって結構消費重いな。
連続で五回しか出せないぞ。
他の技は消費が軽いから、必殺技的なポジションなのかもしれない。
っていうか光を浴びてチャージされるのか。
……この分だと夜とかはチャージのスピードが遅かったりするのか?
「夜や曇、雨だったりするとチャージのスピードは落ちるのか? っていうかこの世界ってそもそも夜がある?」
【真っ暗闇でなければ晴天時には劣りますが光力のチャージは問題なく行われます。】
【月明かりでもチャージ自体は可能です。】
【またこの世界にも夜や月、星や星座は存在します。】
あらそうなの。
……今日寝るとこどうしようか。
まだ日は高いから気にしなくてもいいとは思うが……
「ええっと他のスキルは……ん? これは……」
【受け身】
【吹き飛ばされたりした時にその場で受け身をとるスキル。】
【このスキルは取得済みです。】
これには【このスキルはアプリケーション「オートパイロット」の影響で自動的に取得しています。】の一文がないな。
【光力戦闘術】から細分化された【ルクス=タワー】は別物と考えると……
こっちの【剣術】には「オートパイロット」がどうこうと書いてある。
【剣術5】
【剣の扱いの熟練度を示すスキル。】
【このスキルはアプリケーション「オートパイロット」の影響で自動的に取得しています。】
……これは俺の柔道経験から来ているのか?
「そこの所はどうなんだ、システムメッセージくん」
【所有者が当剣を所有する前に得たスキルも便宜上スキルツリーに表示しています。】
へぇそうなのか。
よく見ると言語スキルのところに【汎用ルクース語】その隣に【日本語】の文字がある。
この【日本語】はもちろん取得済みだ。
【汎用ルクース語】というのがこの世界の一般的な言葉なんだろうか。
そういえばどうすればスキルを取得出来るんだ?
なにかこう……ポイント的なものが必要なんだろうか。
「スキルの取得には何が必要なんだ? まさかタダじゃないだろ?」
【スキルの取得にはスキルポイントが必要です。】
【スキルポイントはルクス硬貨を当剣に投入することで得ることが出来ます。】
まさかの課金システム。
ガチャなどのランダム要素がない分良心的か。
「ん……まてこれ、強い敵が質がよく大量のルクス硬貨を落とすのなら、その敵を倒すためには俺自身が強くなる必要がある……」
今の強さのままでもっと上のランクの敵と戦えると思えるほど俺は楽観的じゃない。
多分、もっと強い敵がいるはずだ。
でなければ【光力戦闘術5】なんて無くてもいいはず。
「あれ? 要するにこの剣にルクス硬貨を捧げなければならないってことか!?」
ルクス硬貨を稼ぐためにルクス硬貨をこの剣に捧げる。
うわ、矛盾してる。
【スキルシステムを最大限活用するためにはルクス硬貨を投入してください。】
もっと課金しろってか。
くそったれめ、どこのソーシャルゲームだ。
【現在のスキルポイントは10。】
【新しくスキルを取得するためには最低100必要です。】
【ルクス銅貨一枚でスキルポイントを1得ることが出来ます。】
ああ、そうですか。
小ルクス銀貨一枚でスキル一つと交換ってことだろ?
この守銭奴剣め……




